▶︎この記事の画像ギャラリーを見る 毎週金曜夜のみ、「工具」を愛でながら呑めるバーがあるという。その名は「ツールズバー(TOOLS BAR)」。舞台はなんと、工具店の店舗内だ。
場所は東京・天王洲アイル。モノレールの駅に隣接した施設、シーフォートスクエア内に立て看板を発見した。オシャレな工具ショップといった外観である。とてもバーがあるようには見えないが……。
「ファクトリーギア 東京店」の入り口。バーはいずこに……。
工具店の名前は「ファクトリーギア 東京店」。海外メーカーをはじめとしたさまざまな工具を扱うセレクトショップだ。
車やバイクのメカニックはもちろん、あらゆる業界の技術者が通い、プロ御用達の工具店として名を馳せる有名店である。
店内には工具好きにはたまらない一流工具がすらり。
店内を奥に進むとカウンターやテーブル席があり、バーの空間が広がっている。
事の経緯を説明すると、この「ツールズバー」はYouTubeチャンネルの中に存在する架空のバーに端を発している。
ファクトリーギアの代表である高野倉さんが工具について語るチャンネル「
ファクトリーギアTV工具好き」の中に「
TOOLS BAR」というシリーズコンテンツがある。チャンネル登録者数は9月現在、7.78万人という人気ぶりだ。
スタート当初は台東区に存在した店舗にて、収録時のみ銀座のバーテンを迎え、高野倉さんがゲストを交えて工具について語っていた。番組は現在も更新中である。
YouTube「TOOLS BAR」でもお馴染みの銀座のシガーバー「JWC」支配人、奥木さん。
視聴者から「リアルバーをやって!」という要望に応え、2021年5月に現在の東京店の開店に合わせてリアルバーを併設。今年、本格オープンした。
さっそく一杯……とメニューを眺めると、カクテルの名前が工具になっている。
“インパクトドライバー”、“ハンマーヘッド“など名前だけでは味が想像しにくいものから、レゲエパンチをもじった“レゲエペンチ”まで、さすがツールズバーといったメニューの数々が並ぶ。
レゲエペンチを注文。
やってきたカクテルにはスパナ型のマドラーが。ここではマドラーも、カトラリーもすべてがツール仕様になっている。
いずれも日本が誇る金物の町、新潟の燕三条で作られているというこだわりようだ。
バーなのでさすがに食事はないかと思いきや「お酒に合う燃料」と書かれたフードメニューもある。
向かいの中華店の箸と共に注文の品が到着。
施設内にある他の飲食店と連携しているのだ。
工具店であり、バーでもあるが、チャーハンやラーメンでお腹を満たす食堂にもなりうるというワケだ。
「私たちは“工具好き”の啓蒙活動を推進しているんです。YouTubeの視聴者もDIY好きというより、もう一歩ディープな工具好きの人が多いですね。
工具も使い捨てではなく、ちゃんといいものを大事に長く使ってほしい。そしてリアルを大事にしたいので、こういう場を設けたのです」。
カウンター越しにそう話したのは、ファクトリーギアのマーケティング 部長の飯田さんだ。
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