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2022.09.05

ライフ

「メンバーから斬新なアイデアが出てこない」というリーダーがやりがちな、致命的な無駄


「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……

本日の相談者:事業開発・マネージャー
「新規事業の担当をしています。メンバーには、失敗を恐れずチャレンジしてほしい、と常々伝えているのですが、どこかで聞いたようなアイデアばかりで、新鮮味のある企画が生まれてきません。

私の指導が悪いのでしょうか」。

アドバイスしてくれるのは……


 
そわっち(曽和利光さん)
1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。

ニュートンは「巨人の肩の上」に乗っていた

万有引力で有名なニュートンのことは、誰もが斬新なアイデアを世界にもたらした人だと言うに違いありません。

しかし、彼はこう言ったそうです。「私が遠くを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです(If I have seen further it is by standing on the shoulders of Giants.)」。

この「巨人」というのは、「過去の先人たちが積み上げてきた業績」のことです。つまり彼は、自分は先人たちの偉大なる業績に、ほんの少し自分のアイデアを付け足しただけのものだと言っているのです。

謙遜かもしれませんが、とても興味深い真理を突いた言葉ではないでしょうか。


「車輪の再発明」という無駄な行為



一方で、「車輪の再発明」という慣用句があります。要は、「既に多くの人が知っていることを、知らずに再びいちから作ること」です。

実際、「新しい発明」だと思ったものが単なる焼き直しである、なんてことは多々あります。この言葉は、誰かが既に生み出したものを、自分で生み出すことは時間の無駄であるという含意があります。

プログラミングの世界などでは、世界中のプログラマーが生み出した膨大なコードライブラリ(まさに「巨人」です)があり、それを利用して新しいものを作るのがあたりまえになっています。

これを利用せずに独力でプログラムを書いたところで、最終的な価値が上がるわけではありません。


どこに巨人がいるのか教えてあげればよい

しかし、それは一体誰のせいでしょう。無人島で生まれた人間がいたとすれば、先人たちの業績から生まれた「巨人」を知らずに、車輪を自分で再発明せざるをえません。

しかし、今回の場合はそうではありません。既にその肩に乗れる巨人はそこにいるはずです。ご相談者は出てきたものを見てから、「それは既にあるものと似ていて新鮮味がない」とおっしゃるのですが、それであれば「既にあるもの」を最初から教えてあげればよいのではないでしょうか。

「ゼロベース思考」という言葉がありますが、本当にゼロベースで新しいものを考えることなどありません。すべてのアイデアは、過去の組み合わせや修正です。


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