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大切なのは「何度も何度も失敗すること」



撮影中にもっとも大変だったのは、「自分のことを何度も話す作業」だったとジェリーは言う。

「昔話をするのは好きじゃない。今を生きるのが僕のフィロソフィー(哲学)だから。それに、監督のステイシーに『あの話をしてくれ』と言われても覚えていないんだ……(笑)。

サーフィン中は目の前の波に集中してるから、乗り終わった波のことは忘れちゃうんだよ。次の波がどうなるかわからないから、サーフィンは楽しい。それは人生でも同じだろ?」。



確かにジェリーは雄弁ではない。それは映画を見てもトークショーを見ても明らかだ。しかし、胸に秘めた激情は、その挑戦的な生き方を通じて表出している。

今年74歳になるレジェンドは現在、新たにフォイルサーフィンにチャレンジしており、映画では何度となくトライと失敗を繰り返す姿が映し出されている。

「人生は、新しいチャレンジがあればどんどん前に進めるからね。そして、失敗する自由がないと、次のステップにも進めない。失敗はとても大事なんだ。何回も何回も失敗しながら磨くことで、だんだん良くなっていく。これはサーフィンも人生も一緒だと思う。

『できない』と思ったらそこで終わり。失敗して、失敗して、失敗して、やっと成功できる。ブルースを歌うためには人生経験が必要だよね。お金を払ってギターを買えばブルースが歌えるわけではない。失敗と経験が必要なんだ」。


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