▶︎すべての画像を見る「偏愛さんいらっしゃい」 挙げ出したらキリがないナイキの名作スニーカーの数々。なかでもエア マックスに異常なまでの愛を注ぐのがG-KENさんである。
スニーカー好きにはもはや知られた存在で、その偏愛っぷりはナイキより賜った“MASTER OF AIR”の称号が物語っている。
そんな彼が心を震わせ、感情をむき出しにしたエア マックスとは、果たして。
話を聞いたのは……
ファッションデザイナー・G-KENさん G-KEN●某ストリートブランドのショップスタッフとしてキャリアをスタートさせ、その後は人気スニーカーショップ「アトモス」のプレスとして獅子奮迅の活躍。昨年独立し、自身のブランド「トゥエルブパーセント」を展開しながら、SNSを通してスニーカーの魅力を発信している。業界内ではエア マックス好きとしても知られ、日本国内で3人しかいないMASTER OF AIRの称号を持つ。
【1足目】エア マックス 1 マスター
G-KENさんのエア マックス人生において、「もっとも濃密だった年」と語るのが2016年。今回選んでもらった3足は、その年にちなんだものだ。
「おかげさまで僕もさまざまなメディアに出演させていただいてますが、その手の質問をいただいた際に必ずと言っていいほど紹介しているのがエア マックス 1 マスターです」。
1987年、ビジブル エア クッショニングでシーンを驚愕させたエア マックス 1。それから、数多くの魅力的なコラボレーションモデルを発売し、今なおナイキの歴史に燦然と輝く名作である。
G-KENさんが選んだマスターシリーズは、生誕30周年を記念した特別なモデルだ。
過去の人気モデルをイメージした上質なレザーとスウッシュのデザインをベースに、歴代のエア マックス 1のDNAをマッドガードに巧妙に組み込み仕上げた一足。
ただ、これを見て「?」と思った人は実に鋭い。そう、ブラックが一般的に知られるところだが、こちらはホワイトもある。
「2016年にナイキが“MASTER OF AIR”という企画を催したんです。世界中のエア マックス愛好家たちに向けた企画で、幸運にも僕がその日本代表に選ばれ、特典としてオレゴン州のビーバートンにあるナイキ本社へ招待されたんです。それが僕の初海外でした。
本社を見学し、このマスターシリーズが翌年リリースされることも教えてもらいました。絵型だけ見せてもらったのですが、そのときは『あぁ、こんなモデルが発売されるんだ』ぐらいの感想でした」。
「発売間近となり、この黒色がナイキよりプレゼントとして送られてきました。その段階でもう興奮してましたけど、同時にもう一足届いたんです。入っていたのがこの白いモデル。
正直、情報がほとんどなかったので、当初は2色展開とばかり思っていました。でも、いざ蓋を開けてみたら、黒しか市場に出回っていない。で、『これなんですか?』と聞いてみたら、関係者だけにしか配られていない非売品だというんです」。
G-KENさんが人づてに聞いた話によると、世界に50足もないという。弾数だけ見ても極レアな一足だ。
「これはもう家宝レベル(笑)。エア マックスを好きになって良かったなと思いますね。ナイキから招待を受け、初めての海外を経験でき、いろんなメディアにも取り上げられた。エア マックスを通じてさまざまな経験をさせてもらっています」。
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