愛用Tシャツの洗い方を、
洗濯のプロに教えてもらう本企画。
洗濯によってTシャツの汚れをしっかり落としておけば、“黄ばみ”を防げることがわかったが、既に黄ばんでしまったTシャツの白さを蘇らせることは可能なのか?
▶︎すべての画像を見る 教えてくれたのはこの人 中村祐一さん●1984年生まれ。創業から70年以上の歴史を持つ長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」の三代目。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年より自ら「洗濯アドバイス」という分野を切り開き、「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など、さまざまなメディアにも出演している。
「そもそも黄ばみの原因は洗濯が不十分なこと。Tシャツに残った汗や皮脂、洗剤残りなどが黄ばみとなるので、それらを洗濯で取り除けば、もとの白さを取り戻す可能性は、大いにあります」。
そこで今回は、実際に黄ばんだTシャツを用意。中村さんから教えてもらった洗濯方法をもとに、自宅で洗ってみた。
まずは白Tシャツの状態をチェック!
こちらはWeb編集長・原が愛用するスリードッツのTシャツ。着心地が良すぎてヘビロテした結果、ご覧のように襟口に黄ばみや黒ずみが目立つようになってしまった。このTシャツの場合、どう洗えばいいのか?
「黄ばんでいても基本的な洗い方は通常のTシャツと同じ。以前お伝えした『ハード』『ミディアム』『ソフト』のどれかの方法で洗います」。
洗濯方法は、Tシャツの汚れや、色、素材、洗濯表示、プリントなどの要素を確認してから決める。
一般的なコットン素材の白Tシャツの場合は、「ハード」で洗うのが定石だ。
「コットン地の白Tシャツは色落ちを気にする必要がないぶん、汚れを落とすことを優先して強めに洗います。
ネットに入れると優しく洗うことになり、洗浄力が弱まってしまうので、黄ばみを作る原因のひとつになります。肌に直接触れるTシャツなどの衣服は、基本的にはネットに入れる必要はありません」。
水温は、
皮脂汚れをしっかり落とすために40度が基本。すすぎは3回がマストだ。ちなみにこの洗い方は、Tシャツ以外にもタオルや下着など、汚れが気になるものを洗濯するときにも活用できる。一着ずつ単体ではなく、同じ洗い方ができる衣服をまとめて洗えば、洗濯の回数や手間も減らせる。
また、より強力に汚れを落としたいときには、
液体洗剤よりも粉末洗剤が適している。中村さん曰く、アルカリ剤が多く含まれているため、皮脂汚れ、タンパク質、色素などが落ちやすいのだという。
左端の表示を見ると手洗いマークがついている。
中村さん曰く、黄ばみを落とすことを最優先にするなら、この洗い方がおすすめだというが、注意しておきたい点もある。このTシャツのように「手洗いマーク」が付いている場合だ。
「洗う前に、そのTシャツをどう着たいか考えてみてください。確かに手洗いマークがついた服は、ソフトで優しく洗った方が生地を傷めずに済みますが、汚れ落ちは悪くなります。普段着として着倒したいTシャツであれば、汚れを落とすことを重視してハードで洗っても良いと思います。
ただし、襟首が伸びやすくなったり、Tシャツの糸が細いものだと洗うことで生地が固くなったり、表面が微かに毛羽立ったり、毛玉のような感じになったりと、風合いが変わる可能性はあります」。
洗濯表示以上の洗い方をする場合には、その服を壊す可能性が高まることは理解しておいた方がいいだろう。
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