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繰り返し洗いで頑固な黄ばみを除去!



今回は、普段使いのTシャツなので、汚れ落としを優先しハードで洗うことに。洗い時間15分、すすぎ3回、脱水3分に設定し、待つこと数十分……。

洗濯終了後に取り出してみると、まだ少し黄ばみが残っているようだ。



「頑固な黄ばみは、一度の洗濯では落ちないことがありますが、洗濯後に汚れ部分が薄くなっていれば、その洗い方で効果がある証拠。もう一度洗濯機で洗いましょう。2〜3回、様子を見ながら繰り返し洗ってみてください」。

ということで、2回目の洗濯にトライ。洗い終えたTシャツがこれだ。



襟の黄ばみがかなり薄くなり、白さを取り戻している。黒ずみに関しては、ほぼ消えている。



「何度も洗濯してはダメなんじゃないかと思われがちですが、大切なのは“その服に出来る限界を超えない”ようにすること。それができていれば、繰り返し洗っても問題ありません。また、普段からこの方法で洗濯をすることで、黄ばみにくくなっていくと思います」。

漂白剤は最終手段。変色の危険性も……



自宅で黄ばみを落とすときによく使う、漂白剤はどうだろう?

「繰り返し洗っても黄ばみが取りきれない場合は、漂白剤を使うのもいいと思います。ただし漂白剤は、化学反応で色素を壊す働きを持っているので、それなりのリスクも伴います」。

中村さん曰く、いきなり漂白するのはNGだという。

「黄ばんだTシャツには汚れが残っている状態なので、その汚れに漂白力を余計に取られてしまい、色素を壊す効果が半減してしまいます。

また、日焼け止めなど服に付いていた汚れに漂白剤が反応し、変色して逆に黄ばんでしまう危険性もあります。漂白剤を使うのは、十分にTシャツの汚れを落としてからにしましょう」。

左から2番目の表示が漂白禁止のマーク。洗濯する際にはこちらもチェックを!

左から2番目の表示が漂白禁止のマーク。洗濯する際にはこちらもチェックを!


もちろん洗濯表示を見て漂白可能かどうか確認することもお忘れなく。こちらのTシャツのように、そもそも漂白NGの表示がある場合は、服に使われている蛍光剤や樹脂などが漂白剤によって黄ばみになってしまうこともある。繰り返し洗っても黄ばみが解消しない場合は、自宅で漂白を試す前に、一度クリーニングでプロの手を借りるのもアリだ。

また、Tシャツを購入する際にも、事前にメンテナンスについて考えておいた方がいいと、中村さんはいう。

「普段着として着たい服の洗濯表示が、“手洗い表示”の場合、手入れ方法としては、表示を越えてハードに洗い汚れをしっかりと落とすか、汚れ落ちを犠牲にしてソフトに洗うのかの、いずれかになってしまいます。この状況は、実際に服を着る状況と洗濯がミスマッチを起こしている状態。

購入して着たあと、自宅の洗濯だけでキレイに着続けようと思っても、必ずどこかに無理が出て長持ちしにくい。着るときと、洗うとき、この両方の視点からよく考えて服を購入することも大切なポイントになります」。

“その服をどう着たいのか?”という視点を、Tシャツ選びの基準に加えてもいいかもしれない。


 9月に入ってもまだまだ活躍しそうな白Tシャツ。洗濯王子・中村さんに教えていただいた洗濯術を参考に、清潔感を保ちつつ着続けよう。

外山壮一=文

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