──日頃、商品開発も担当しているとのことですが、どの程度、関わっているのですか? LABOMOでは細かいところまで関わり、決定させてもらっています。パッケージのデザインや、中身の色味や質感など、オーダーして作ってもらっています。自分の髪でももちろん試します。
製造工場に行ったり、通販用に説明書と商品をセットアップする倉庫にも行ったりと、完成までほぼすべてに携わらせてもらっています。
きれいな髪でいるために大事なことは…
──矢島さんは子どもの頃から、髪の毛についてかなり熱心に探求してきたと聞きました。長年の研究の成果といいますか、結局のところ、髪のコンディション維持にとって大事なことはなんだと思いますか? 「健康な生活をすること」「正しいお手入れをすること」の2つに尽きると思います。「髪にいい食べ物は何ですか?」とよく聞かれますが、ある特定の食品だけでよくなることはありません。いろんな食品が必要ですし、巡らせるためには運動も必要です。
ストレスはよくないので気分転換も必要ですし、質のいい睡眠も必要です……と、いろいろなことになってしまいます。ですので、一言でいうと「健康な生活」に集約されるかと思います。
──「正しいお手入れ」とは、具体的にどんなことが大事なのでしょうか? 矢島さんはどのようなヘアケアをしていますか。 もちろんシャンプーやトリートメントも大事ですが、そのあとのブラシや、枕カバー、タオルも大事です。肩より長い髪なら洋服も影響します。
ブラシは豚や馬の毛がいいとよく言われます。ただ、ツヤ出しにはいいのですが、やりすぎると枝毛になります。ですので、あまりにも密なブラシはおすすめしません。
むかし、ルーネットというブラシに出会ったときには感動しました。ずっと愛用していましたが製造終了になってしまいまして、そのときは本当に悲しかったです。
私はお風呂で1時間以上かけてヘアケアをしていますが、おそらく皆さんはマネできないだろうと思いますので、1分でできる頭皮マッサージのやり方を教えます。ぜひやってください。
(画像:筆者作成)
50代というキャリアの成熟期に、自分が好きなことで、自分好みの商品を開発できるなんてうらやましい。ゆくゆくはブラシやドライヤーも自分で作りたいと夢を語っていました。
矢島さんは自分のことをちょっと変わった性格だといいます。普通の人が見逃すようなことを突き詰めるところがあり、周囲の人に「その差はわかりません」と言われることもあるんだとか。変わっているというか、本連載を担当していると、そういう人は結構いますよ……と思ったのでありました。
高橋 ホイコ : ライター
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