② 評論家でも予測不能な裏切りの展開『オザークへようこそ』

Netflixシリーズ『オザークへようこそ』シーズン1～4独占配信中。

家族総出のサバイバルゲーム

──こちらは、子供向けではなさそうですね（笑）。

麻薬組織の資金洗浄の話なので子供向けではないのですが、とはいえ、『オザークへようこそ』はホームドラマなんですよ。家族みんなで生き延びるぞ！っていう。 

シカゴで働く超真面目なファイナンシャルプランナーのマーティが主人公。共同経営者が麻薬カルテルに殺されて、マーティも殺されそうになるのですが、自分を生かしておいた方が有利だぞってことを説き伏せてなんとか生き延びるんです。

そこから、妻も娘も息子も巻き添えにした資金洗浄という家族ぐるみのサバイバルゲームが始まります。

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──ファイナンシャルプランナーが主人公というのも珍しいですね。

マーティは地味で真面目な、どこにでもいそうなファイナンシャルプランナーっていう感じですが、頭がいいし話術にも長けているので、麻薬組織を言いくるめるんですよ。で、マーティの妻・ウェンディはオバマ元大統領の選挙活動に参加した経歴がある切れ者で、次第に資金洗浄で才能を発揮していく。

家族は後戻りできないほど犯罪にのめり込んでいきますが、極悪な麻薬カルテルに追い詰められていく心理サスペンス的な要素も面白いですね。

──オザークはどんな町なんですか？

ミズーリ州にあるリゾートですが、貧しい人々が住んでいて、アメリカの田舎特有のしきたりがあります。オザークの住人はとんでもないキャラクターが多く、ドラマの面白さを引き立てています。

もちろん、ドラマの中心はオザークですが、舞台はカルテルのいるメキシコにまで広がるし、麻薬組織の派閥争いも一筋縄ではいかない。娘とオザークの住民の恋愛もあったり、ウェンディは2話ですでに不倫していたりと、まぁ人間関係もぐちゃぐちゃなんですよ（笑）。

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──どんなところにハマりましたか？

毎回毎回、本当に衝撃的な展開が起こるんですよ。「うわ、こうなるんだ！」みたいな。僕は映画評論家という職業柄、いろいろな作品を観てるし、紹介もしていますけど、ここまで予想できないというか、予想を裏切られる作品はそうないですね。

日本の僕らの生活とは置かれている状況がまるで違いますが、家族やお金、仕事といった普遍的なテーマに共感できる部分も多いので、めちゃめちゃ楽しめると思いますよ。