Netflixシリーズ『アンブレラ・アカデミー』シーズン1～2独占配信中
年間約500本もの作品を観る映画評論家のコトブキツカサさん。本業に集中するため10年ほど封印していた海外ドラマ鑑賞を再開し、気付けば「一番の趣味は海外ドラマです」と言い切るほど虜になったとか。
今回は、コトブキさんが最近特にハマったというホットなドラマを3本厳選してもらった。お盆は“自宅でマッタリ過ごす派”のみなさんにお届け！
話を聞いたのはこの人！
コトブキツカサ●1973年静岡県生まれ。映画パーソナリティ、ラジオMC、文筆、俳優として活躍。TBS火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』では入院患者の榎木敬太役で出演している。
①『アンブレラ・アカデミー』
Netflixシリーズ『アンブレラ・アカデミー』シーズン1～2独占配信中
【あらすじ】
妊娠していない母親から43人の子供が生まれる不可解な事件が発生、億万長者の男性がその中から7人の子供を引き取りスーパーヒーローに育てる。一時はバラバラになったヒーローたちが養父の死をきっかけに、人類を襲う危機と戦うために立ち上がる。Netflixでシーズン3まで配信中。4の配信も決定。
不器用なスーパーヒーローたち
──『アンブレラ・アカデミー』のおすすめポイントはどこでしょう？ 僕は家族と一緒に観る海外ドラマを常に1〜2本キープしていますが、『アンブレラ・アカデミー』もそのひとつ。妻と子供と3人で観ています。
1989年のある日の同時刻に、妊娠もしていない女性43人が同時刻に子供を出産するところから物語はスタートします。まずはこのこの謎の多い設定にグッと引き込まれますが、43人の中から選ばれた特殊能力を持つ7人が主人公の世界です。
Netflixシリーズ『アンブレラ・アカデミー』シーズン1～2独占配信中。
例えば『ストレンジャー・シングス』に代表される特殊な能力を持つ子供達が出てくる作品って人気があるし面白いのですが、最近ちょっと食傷気味に感じていたんですよね。しかし、『アンブレラ・アカデミー』は内容がものすごく濃いんです。
──何がほかの作品とは違うんでしょう？ それぞれスーパーヒーローでありながら欠点もある。コンプレックスを抱いている点にまず共感しますね。
ストーリーも素晴らしい。スーパーヒーローものでありながら、タイムトラベルものでもあり、僕らの日常にいてもおかしくない問題だらけの7人が不器用に成長しながら、地球滅亡を阻止しようとする設定が面白いですね。
Netflixシリーズ『アンブレラ・アカデミー』シーズン1～2独占配信中。
──キャラクターたちにはどんな能力があるんですか？ ハーグリーブズ卿という大富豪が43人の中から7人を引き取り、スーパーヒーローとして育てていきますが、長男である1号はリーダー的な存在で、猿の遺伝子を持つ驚異的な肉体を持っています。
次男の2号はナイフ使いと格闘が得意。3号は女優として活躍する有名人でありながら、言葉で人を操る能力を持っています。1号とは惹かれあっている仲でもあります。
ーーほうほう！ 4号は死者と交信できるキャラクターで、すでに亡くなってしまっている6号と行動しています。5号は時間移動ができるドラマの中心的な存在で、7号は能力がない子供として育てられましたが、実は地球を滅ぼせるほどのパワーがあることが後々わかるんですよ。
──原作はアメコミですよね？ そうです。原作者はロックバンド「マイ・ケミカル・ロマンス」のボーカル、ジェラルド・ウェイで、マーベル、DCに次ぐメジャーな存在の「ダークホースコミック」から出ています。世界観がちょっとダークというのも、大人が楽しめるポイントだと思います。
劇中の音楽にはティファニー の懐かしいダンスナンバーが流れたり、バックストリート・ボーイズ、メアリー・J.ブライジ、レディオヘッド、フランク・シナトラなどオーシャンズ世代が楽しめるナンバーも多いと思います。
2/3
