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世界と比較して、日本のマーケットの特徴をどのように捉えているかも興味深い。

「日本のマーケットは、トレンドを生み出す『アダプター』だと感じています。アウトドアのスタイルが、今では当たり前のように日常にも取り入れられるようになりましたが、そういったトレンドも日本から世界に広がっていったものと捉えています」(マーティン)

加えて「イノベーションが大好き」「デザインが大好き」「サスティナビリティが大好き」という具合に、日本の消費者はOnというブランドとの親和性が非常に高いと感じているという。

シューズの商品構成はランニングカテゴリーが7割、アウトドアやライフスタイルカテゴリーが3割。あくまで主力はパフォーマンスシューズという自信ものぞく

シューズの商品構成はランニングカテゴリーが7割、アウトドアやライフスタイルカテゴリーが3割。あくまで主力はパフォーマンスシューズという自信ものぞく


「近年で多く見られるようになったハイエンドファッションとスポーツブランドとのコラボレーション。その火付け役になったのも日本だと我々は認識しています。今年発売したロエベとのコラボモデルが日本で好評だったのもその証ではないでしょうか」(マーク)

パフォーマンスに妥協は許さない


「パフォーマンスとファッションのフュージョンが成り立っている」という日本の特性もあってか、ランニングシューズのように、本来パーフォーマンスシューズとしてローンチしたものが自然と普段使い用として兼用される傾向も顕著だと語る。

「ただ、我々はあくまで、イノベーションとパフォーマンスに優れたシューズを作りたい。ランニングであろうが、日常使いであろうが、『機能』をないがしろにすることはありません。例えば最近ローンチした『クラウドノヴァ フォーム』。これはランニングシューズが持つエネルギッシュな機能を、いかに日常使いに落とし込むかを追求したモデルです。

もちろん、デザインの良いシューズを作ってそれをアピールしたいとは思いますが、だからといってパフォーマンスの部分は妥協できない。快適であること、体を動かすことが楽しいと感じられることが、私たちにとっては大事なんです」(マーティン)

これは日本のマーケットに限らずだが、スポーツブランドである以上、新たなテクノロジーの開発は至上命題だ。その意味で、ロジャー・フェデラーに代表されるアスリートとのコラボレーションモデルも、ブランドの成長を占う上で重要なファクターになっている。世界的なテニスプレイヤーとの共同開発によって生まれた「THE ROGER collection」は、ハイパフォーマンスながらもスタイリッシュなルックスがウケて、日本のスニーカー好きの間でも注目されるモデルである。

「ザ・ロジャー センターコート」。競技用ではないものの、パフォーマンスシューズ出自の快適性と洗練されたデザインが魅力

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