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其の参「荷物は軽く、必需品は忘れるべからず」



「場所によって必要な荷物は変わりますが、そんな中でも忘れずに持っていくべきものがいくつかあります。ただし、荷物が重いとそれだけで体力を奪われます。必ず下調べをして、目的地によって必要なだけの荷物を準備しましょう」。
① モバイルバッテリー
スマホでアプリやGPSを長時間使用することになるため、バッテリーの消耗は早い。外付けバッテリーを余分に持っていくと安心!

② 雨具
山の天気は変わりやすい。必ずひとつは携帯しよう!

③ 防寒具
1500mまでの夏場の低山でも、夜はかなり冷え込むことがある。登山中に動けなくなってしまった場合にも。不測の事態に備えよう!

④ 食糧
登山中は休憩などの短い時間などで少しずつ食べながら栄養補給することも多い。短時間で食べれるような小分けの食糧を「行動食」として携帯することがオススメだ。

⑤ 飲み物
飲み物は絶対に必要! 登山中の脱水量の計算式は……

脱水量(ml)=体重(kg)×行動時間(h)×5

体重60kgの人が5時間歩き続ける場合は、1500mlの水分が失われる計算になる。水分補給量は脱水量の70~80%が目安となので1200ml程度の水分は最低でも持参すべし。夏場はさらに1.2〜1.3倍の量を用意しよう。

其の四「低い山=安全ではない!」



実は、低山の方が事故や遭難が多いんです。最大の理由は、低い山は登山道以外の道が多く、間違って作業道などに入ってしまうから。あらかじめ、地図で『尾根道を歩く』とか『谷筋を歩く』など把握しておくと、迷ったときに気付きやすくなります。

また、山には『みんなが迷いやすい道』というのがあります。多くの人が迷った結果、地面が踏み均されて、それっぽい道が出来上がってしまうんです。こうなると迷ったことにも気付きにくい。やはり事前に登山コースをしっかり確認しておくことが重要です」。

危険区域や侵入禁止地域への入り口には、障害物や木枝などのサインが設けられていることもあるので、見落とさないよう注意しながら歩こう。



「道に迷った場合は、絶対に闇雲には進まずもとの道まで戻ることを徹底しましょう。また、道に迷って山から滑落したり、ショートカットした挙げ句、転落するような事故も少なくありません。

もし、もとの道にも戻れない状態に陥ってしまったら、上に登ること。上には道があることが多いし、携帯電話の電波も届きやすいんです。人にも会えないようだったら、110番か119番に通報しましょう」。

警察庁発表による令和3年度の山岳事故統計では、事故原因の1位が「道迷い」(41.5%)で、2位が「滑落」(16.1%)となっている。自分の身にも起きうる脅威として十分に注意しよう。


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