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2022.08.10

からだ

朝起きて“鈍い頭痛”が続く人は「脳腫瘍」の疑いアリ。危険な頭痛の見分け方とは



知らないと怖いカラダのサインとは……

長年の片頭痛に、気圧の変化、飲みすぎた翌日の二日酔い。頭痛に悩まされた経験は、誰しもあるだろう。

「ひとえに頭痛といっても、その原因はさまざまです。なかには命にかかわるケースもあるので、その原因を明らかにしておくことが大切です」と話す、東京頭痛クリニック理事長の丹羽 潔先生に、頭痛のアレコレを教えてもらった。

話を聞いたのはこの人!丹羽 潔先生●東京頭痛クリニック理事長。日本頭痛学会の専門医・指導医・評議員として、専門医のみによる日本初の頭痛専門クリニックを開設。著書に「日本初の頭痛専門クリニックが教える最新頭痛の治し方大全」(扶桑社)。

丹羽 潔●東京頭痛クリニック理事長。日本頭痛学会の専門医・指導医・評議員として、専門医のみによる日本初の頭痛専門クリニックを開設。著書に「日本初の頭痛専門クリニックが教える最新頭痛の治し方大全」(扶桑社)。


“いつもの頭痛”にご用心。病院に直行すべき痛みとは?



――そもそも、頭が痛くなるのはナゼでしょうか?

頭痛といえば「脳」が痛みを感じていると思われがちですが、脳自体に痛みのセンサーはありません。脳を覆っている膜や血管、脳のそばにある筋肉や神経がなんらかの刺激を受けることで頭痛は引き起こされます。
 
――たくさんの原因がありそうですね。危険な病気と直結する頭痛もありますか?

その通りで、頭痛にはたくさんの原因と種類があります。その中でも、脳腫瘍くも膜下出血などによって引き起こされる痛みは、“たかが頭痛”と放っておくと、取り返しのつかないことになります。
 
――命に関わる頭痛、その特徴はなんでしょう?

起床時に鈍い痛みを感じる頭痛は、脳腫瘍の特徴です。目覚めてからどんどん強くなる鈍い痛みに加えて、吐き気を伴うこともあります。

脳出血の一種であるくも膜下出血を起こしたときには、まるで突然バットで殴られたような、強くて激しい痛みを感じます。ただその痛みもある程度時間が経てば収まって、片頭痛に似た痛みが2~3週間続きます。
 
――ほどほどの痛みだと、“片頭痛を発症したのかも……?”とも思いがちですね。

30代なら可能性はゼロではありませんが、40代以降ではじめて片頭痛を発症することはほぼありません。なので、オーシャンズ世代が初めて頭痛を経験した場合には注意が必要です。

ただし、このコロナ禍ではそれ以外の理由による頭痛が頻発しているので、それらを見極めることが大切です。


肩コリ・首コリも頭痛を引き起こす



――コロナ禍で頭痛が増えているとは、どういうことでしょうか?

ここ数年、肩コリや首コリが引き起こす緊張型頭痛に悩む方が増えています。これはリモートワーク中心の生活になっていることや、長時間のマスク着用が原因です。

両耳にマスク紐をひっかけて過ごすことは、自分でも気付かない間に首コリの原因になっています。
 
――マスクも頭痛の原因になっていたとは、初耳です!

ほかに、マスクは片頭痛を引き起こす原因にもなります。例えば、マスクを付けた状態で呼吸をすると、自分が吐いた息をもう一度吸い込んでいるのは想像できますよね。二酸化炭素をたくさん体に取り込むと頭の血管が拡張し、これが片頭痛に繋がるんです。

またマスク内は湿度が高いのでのどの渇きを感じづらく、体が脱水状態になりやすくなります。この脱水症状のサインとして、片頭痛が起きることもあります。
 
――コロナ禍で頭痛の頻度が増えていると感じたのは、気のせいじゃなかったんですね。

今の時季だと、マスク熱中症にも要注意です。マスクを付けている状態ではプラス4度以上、体感温度が上がると言われています。

そうなるとマスクの中は40度以上となり、いわゆるサウナ状態です。マスクが熱中症を引き起こし、さらには頭痛までも引き起こすことが分かっていますので、マスクと感染対策は上手くバランスをとっていくことが大切です。


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