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サトータケシさんの評価「新たなスバルファンを獲得するかも」

世の中には、「スバリスト」とか「スバラー」と呼ばれるスバルのファンがいる。これだけ熱く支持される国産車のブランドは少ないから、素晴らしいことだと思う。

で、BEVのソルテラが発表されたときに心配になったのが、スバリストたちの反応だ。

スバルの源流を遡ると、中島飛行機にたどりつく。スバルが愛される理由のひとつが、「ヒコーキを造っていた会社の車だから設計思想が違うんだよ」ということで、その象徴が水平対向エンジンだ。

水平対向エンジンを積まないソルテラをスバリストは認めるのか、という問題は、ラーメン二郎を愛するジロリアンが「豚」のないラーメン二郎を認めるのか、という問題に近い。

ソルテラに乗って驚くのが、4本のタイヤに精密にトルクを配分する、スバル得意の4駆システムが、モーターによってさらに洗練されたことだ。

アクセル操作への反応が、エンジンだと「大さじ3杯」くらいのざっくりとした表現が合うのに対して、モーターだと「2.987グラム」くらい緻密なのだ。だから悪路でも山道でも気分爽快

確かに「豚」はない。でもスープと麺はめっちゃ旨い。認めない人もいるかもしれないけど、低カロリーで毎日食べてもOKだから、新たな層のスバリストを開拓する可能性がある。

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。執筆の参考に、ラーメンおたくの知人に推しの二郎系をたずねたところ、「西日暮里のえどもんど」という答えが返ってきたという。訪問を計画しているらしい。

西川 淳さんの評価「EVらしさ、スバルらしさへの答え」

次はフルEVの時代。それはわかっている。けれどもエンジン車にまったく取って代わるまでには時間もかなりかかりそう。

世の中に今いったいどれだけの数のエンジン車が走っているのか。それを調べてみるだけで答えは明白だ。政府は妙な策を弄さず、メーカーには優れた商品を出し続けてほしい。

それはともかく、EVは新しい存在なのだから、従来とは“違う”ということを“無音の走り”以外、つまりデザインなどで大いにアピールしなければならない。とはいえやりすぎると乗り換えてもらえない。そのさじ加減が難しい。

見たことがあるようでない新しさをうまく表現したのがテスラだったが、彼らに立ち向かうためにはもうちょっと新しく見えるほうがいいのかも。スバルはそのあたりを苦心したようだ。

ソルテラではSUVのシルエットを守りつつ、グリルレスマスクやフェンダーラインで新しさを演出した。内装もメーター回りに努力のあとが見える。正直言って、考え方がちょっと古くさい気もするけれど。

しかし、走りはなかなかに洗練されていた。スバルらしい安心感に満ちている。高速道路も峠道も街中も、このクラスのSUVとしては、エンジン車と比べても上等の走り。

価格と環境と見た目の3条件が合うのなら試してみる価値はある

モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。


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