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グランピングの歴史はルイ・ヴィトンから始まった 


 
グランピングとは「グラマラス」と「キャンピング」を合わせた造語。贅沢にキャンプを楽しむ新しいアウトライフ・スタイルの提案だが、そのスタイルはキャンプだけにとどまらない。ホテルライフも含めた新しいリゾート・スタイルの提案でもあるのだ。

グランピングは決して最近沸き起こったブームではない。その歴史は19~20世紀初頭までさかのぼる。

時はヨーロッパの列強が世界中に植民地を広げていった時代。イギリス、フランス、イタリア等の貴族たちは植民地に統治者として赴任する際に、ルイ・ヴィトン等ラグジュアリーブランドの大型トランクに自らの宮殿から生活用品、インテリア、洋服を一式梱包。大型船に何百というトランクを積み込んででかけた。

赴任地に総統府等という名の「宮殿」を建てるまでは、テントで生活するとしても、そこは限りなく宮殿の空間と快適さが求められた。

そんな歴史的な文化が欧米には色濃く残り、20世紀の後半には、銀幕のスターたち、作家、ファッションデザイナーたちが、同じようにロンドン、パリの生活を、地中海の孤島や、アルプスの山の中に求めた。

そう、グランピングとは「自然の中に都会の快適空間をいかに持ち込むか?」。かつては限られた階級社会の人々のラグジュアリーなライフスタイルだったが、今それが我々庶民にも「グランピング」というスタイルで楽しめるようになったのだ。

Glamp編集長 吉村司
元「ハナコ」関西版編集長。5年前に独立後、淡路島にグランピング・キャンプ場「FBI」を開業。今年は鳥取・大山にも開業。その経験を活かして日本初のグランピング・マガジン「Glamp」を講談社から9月28日に創刊。
Glamp(グランプ)2016年春号より季刊発売
日本初のグランピング・マガジンが創刊!創刊号では、開業間近(10月31日開業)の「星のや 富士」を完全リポート。さらにグランピングとはそもそも何なのか?その歴史と最新トレンドも徹底取材。海外の最新グランピング事情も見逃せない。さらに、日本で今イケてるグランピング・キャンプ場も網羅。そこで楽しむ最新のキャンプスタイル、人気のギア&グッズカタログも紹介する。これ一冊あれば「グランピング」のすべてが分かるスタイル・ブックだ。講談社より9月28日発売!

世界のグランピング滞在記 



グランピングとの出会い
はじめてのグランピングは1986年に行ったアメリカにある山脈国立公園で体験した。その頃はグランピングという言葉は無かったけれど、今思うとあれはグランピングだった。駐車場に集合し、そこから部屋まで3時間かけて歩いたんだ。

最初は雨で、途中で雪になってとても寒かったけれど、着いてから食べた夕食はなんだったか思い出せないんだけどすっごい美味しかったな。

焚き火にワイン。砂漠で過ごすロマンチックな夜
メキシコの広大な砂漠で体験したグランピングは施設にワイナリーを併設していたんだけど、キャビンのテラスでガンガン火を焚いて、砂漠を眺めながらぼーっとしながらそこで造ったワインを飲むのは贅沢な時間だったな。

火はすごく大事だよね。火って不思議で、火を焚くとみんなそこに集まってくるし、ほっとする。火を見ている時は集中力が増すというか、その瞬間は、自分の祖先が縄文人だなあと実感する瞬間だよね(笑)。

世界最古の国立公園でスリリングな滞在!?
世界最古の国立公園にあるグランピングもおもしろかった。この地域はヒグマが出るから、チェックインする時に食べ物がないかチェックされて、お菓子なんかも全て没収される。

部屋はラグジュアリーなテント形式で、ベッドは下に隙間があってヒグマは入れないけど、人間はそこに潜って逃げられるようになってたんだよ(笑)。熊の注意を促す様々なインフォメーションも充実していた(笑)。

ダイニングもすごい離れた場所にあって夜間は完全閉鎖だったんだけど、そこで出されたバッファローはよく覚えている。味はラムに近かったかな。

グランピングについて質問してみました

Q1 グランピングの魅力とはなんでしょう。
A 大自然の中、アウトドアを感じながら過ごせるところがグランピングの魅力だと思います。

キャンプの醍醐味である、外で食事したり、火で暖をとったり火を囲んだりができ、それらの準備や片付けをしなくても良く、清潔なお手洗いや洗面、お風呂などの水まわりが用意されていて、空調が効いている部屋で眠る事ができ、快適な滞在ができるところですね。


Q2 世界ではどんな人々がグランピングを体験しているんでしょうか。
夫婦やカップル、ファミリーと顧客層はバラバラでしたが、既存のキャンプ層ではなく、キャンプがしたいけれど衛生や不便などの理由で普段キャンプをしていない方が多かった気がします。

また、旅慣れしている人や、普段体験できないものを体験したいけどラグジュアリーさは妥協したくない人たちも多く体験していらっしゃると感じました。


Q3. 日本のグランピングはテント形態が多い気がしますが、テント以外の宿泊形態もありましたか。
高級なテントはもちろん、キャビン、ツリーハウス、トレーラー、コテージ・・・とバリエーション豊かでした。


Q4 アクティビティを用意している施設はありましたか。
自然の中で過ごすこと自体の爽快感、楽しさ、面白さが醍醐味だから、アクティビティが揃っているようなところはあまりなかった気がします。


Q5 持っていくと、更にグランピングを楽しめるアイテムがあれば教えてください。
外にいる時間を長く楽しむために、防寒具や雨具があるとより楽しめると思います。もちろん、外を味わいながらあたたかい室内で過ごせるのも魅力なんですけどね。



星野佳路、吉村 司=文
記事提供:星野リゾート

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