仕掛人に聞いてみました
人知れぬ苦労はありますか?通報が来て追い払うだけではありません。人が朝の散歩をする前に、クマにつけた発信器を頼りに、人のエリアからの追い払いをやっています。朝4時とか、みんなが寝ている間ですね。
スタッフは3人ですが、夏は2人プラスです。7〜8月にはインターンシップの人も来ます。きつい、きたない、きけん、くさい、の4Kですが、リゾート地の安全を守るために、専門家としてできるだけのことをしたいと思っています。
軽井沢エリアでのおすすめスポットは?クマが知っている秘密の場所があるんです。追跡していると、突然、木苺の茂みが広がっていたり、森の間に沢があって花が咲いていたり。あ、でもそれは案内しづらいですね(苦笑)。
僕は絶景じゃないささいな光景に惹かれます。普通の森の美しさを、安全に皆さんに味わってもらいたいですね。
あなたが今気になっている仕掛人は?星野道夫さんという動物写真家です。残念ながら亡くなってしまいましたが、今も奥様とご縁があり、星野さんの写真展を軽井沢ホテルブレストンコートで開催させてもらったこともあります。
研究だけでなくフィールドに出かけていく。星野さんのそのスタンスは今もずっと尊敬しています。
あなたが「ツキノワグマの保護管理」でやりたいことを教えてください。ベアドッグと共に行動する「ハンドラー」を育てることが、僕の次にやるべき事だと思っています。ここ10〜15年の間にそれができる後進を育てないといけません。
仕掛人にとって“旅”とは
今まで行った旅先で一番好きな場所は?フィリピン、マレーシア…。東南アジアに一番長く行きましたね。エコツーリズムの開発という目的もあったので旅と言えるかどうかわかりませんが。
20歳前後の頃は、自分を鍛えたくてニュージーランドやマレーシアにも一人で行きました。
どんな時に旅に出ようと思いますか?本を読んで、そこに書いてあることを確かめたくなったときです。文字だけを追っていると、ムラムラと「確かめたい!」という気持ちが湧いてくる。その繰り返し。
でも僕はいったいどこに辿り着こうとしているのかな。辿りつけるんでしょうかねえ。
どんなスタイルの旅が好きですか?旅先で、牧場に住み込んでボランティアをしたり、気づくとそこに暮らしているようになっていて「旅」じゃなくなっているケースが多かったですね。自然と近く暮らしている人々に会うことが原点なのかもしれません。
旅先に必ずもっていくものは?本です。ガイドブックじゃなくて、旅行記とか、環境に関する本とか。もちろん、そこに書いてあることを確かめたいから。
これからやりたいことはなんですか?