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信念を曲げず、ただ愚直に中華最強を目指す男

編集部 王騎に続いて、ふたりめは誰でしょう?



平山 もちろん、蒙武です。なにせ演じさせていただきましたからね(笑)。

編集部 オファーがきたとき、蒙武がどんなキャラかは知っていたんですか?



平山 当時はまだ『キングダム』を読んでいなかったので、知らなかったんですよ。『誰それ?』っていう感じ。で、調べてみたら顔が似てる……そういうことか! と思いましたね(笑)。

編集部 でも、蒙武もまた魅力的なキャラクターです。

平山 蒙武はなんの技も策も持たない力一辺倒の男だと、どこか小馬鹿されている節もありますよね。それでもなお、武力が策略を凌駕することを自ら証明しようとしている。本来、決して力一辺倒で頭の悪い人間ではないんですけどね。

編集部 たしかに。

平山 現に、難度の高い戦術を操るシーンも見受けられますから。ただ、大半は真正面から力でねじ伏せようとする。自分が中華最強であることを証明するために。僕はそんな蒙武の愚直ゆえの刹那的な部分に惹かれてしまいますね。

編集部 作中で、もっとも不器用な男かもしれません。



平山 人一倍、承認欲求が強いんでしょうね。序盤なんて特に。ただ、王騎と戦場を共にしたことで、彼の中に変化もありました。王騎以上に活躍すれば、それが格好のアピールになったのでしょうが、結果、足を引っ張ってしまう。愚直、不器用だからこそ、その姿に悲しさを覚えてしまいます。

編集部 主人公の信ともクロスオーバーするところがあります。

平山 そうですね。まっすぐな頑張りが彼らの魅力だと思いますし、ただ一辺倒に突き進んでいく感じがちょっと自分自身にも被るところがあるなと。

編集部 そうですか?



平山 僕自身、もう少し器用に振る舞えたらもっと売れてると思いますし、それができない歯痒さも日々感じてますよ(笑)。自分を信じてただ前に進むことしかできない感覚は共感できますよね。

編集部 策略を張り巡らしながら相手を陥れていく武将が多い中、彼のやり方は分りやすい。ただ、その背中には男らしさを感じます。まさに“漢”ですね。



平山 あんな背中を見せられたらもう惚れますよ。自分を信じて戦い抜くなんて、簡単にできることじゃない。それは今の時代でも言えることですよね。どうしてもいろんな脇道に逸れ、ズルして相手を出し抜こうと考えてしまう。だからこそ、彼の生き方は眩しく映るんだと思います。


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