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2022.07.29

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ハッピー過ぎたBARイベントの前日譚。バーテンダー日本一を決めた「WORLD CLASS 2022」とは


5月末にディアジオとオーシャンズがタッグを組み、オーシャンズ読者100人余りが参加したイベント「HELLO!,FUN-BAR Happy Hours∞」。

BARとカクテルの新しい楽しみ方を提案したこのイベントは、世界 180 以上の国々で酒類ブランドを展開するディアジオ社が9月に開催する、世界一のバーテンダーを決める国際大会「DIAGEO WORLD CLASS 2022(ワールドクラス2022)」の日本代表を決める「WORLD CLASS 2022 JAPAN FINAL」のアフターパーティとして開催された。



では、WORLD CLASSとはどんな大会なのか? 酒好きなら知っておくべき、大会の全容をレポートする。

世界一を目指すバーテンダーが集う「WORLD CLASS」

「タンカレ」ーや「ドン・フリオ」、「ロン サカパ」などのプレミアムリカーブランドを、世界180カ国で展開するディアジオ社。
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世界一を目指す多くのバーテンダーにとって、目標となっているWORLD CLASS。

世界一を目指す多くのバーテンダーにとって、目標となっているWORLD CLASS。


このディアジオ社が2009年から行っているのが、バーテンディングの国際大会、WORLD CLASSだ。昨年は世界60の国と地域からなんと約2万5000人を超えるバーテンダーが応募したという世界最大規模のコンペティションなのだ。

今年9月にオーストラリア・シドニーで行われるグローバルファイナルに進むには、各国や地域で行われる予選を突破する必要があり、「WORLD CLASS JAPAN FINAL」は、2日間にわたって日本代表を決める決勝大会。

応募者は一次選考で50人に絞られ、さらに二次選考で決勝に進むファイナリスト10人が選ばれる。今年のファイナリストは次の10人だ!

2022年のジャパンファイナルに選出された10人。

2022年のジャパンファイナルに選出された10人。


小坂 駿/京王プラザホテル(東京)
竹田英和/Bar 霞町 嵐(東京)
中山理紗/LEAP BAR(東京)
中村大樹/コンラッド東京 バーラウンジ TWENTY EIGHT
長尾和明/Bar LIBRE(東京)
竹下健一/ザ・リッツ・カールトン京都(京都)
古瀬則彦/Zentis Osaka UPSTAIRZ(大阪)
山田幸輔/Bar,K(大阪)
木下恭伸/SAVOY KITANOZAKA(兵庫)
緒方 唯/Wine&Bar 麦家(宮崎)

ちなみにWORLD CLASSはBARの知名度や規模、ジェンダー、キャリア、年齢などは一切不問というダイバーシティな大会。そのため全国各地から、我こそはというバーテンダーが集結する。

さて、では実際にどのように戦うのだろうか。

ファイナリストは2日間で次の4つのチャレンジに挑む。


1:リフレッシング チャレンジ


「タンカレー ナンバーテン」と「ドン・フリオ ブランコ」をベースに、昨年のトレンドであるすっきりとした口当たりの軽いカクテル2種を、5分以内に各2杯ずつ作る。


2:アペリティフ&ディジェスティフ チャレンジ


食前酒「アペリティフ」と食後酒「ディジェスティフ」を5分間で各2杯作成。ベースとなるスピリッツは対象ブランドから、個々に選定できる。それぞれが何を選ぶのかも見どころだ。


3:シグネチャー カクテル チャレンジ


対象となるスピリッツからベース1種類を選び、大会への応募書類に書いた自分自身を表現する特別なカクテルを5分間で4杯作る。


4:スピード&テイスト チャレンジ


6種類のスピリッツを使ったカクテルを各一杯ずつ、5分間で作るというスピードが求められる競技になっている。

この大会がユニークなのは、ただウマいカクテルを作ればいいだけではないということ。

味だけでなく「技術」「ホスピタリティ」「オリジナリティ」「プレゼンテーションスキル」、そして「パッション」まで採点されるのだ。

白熱したファイナル1日目の様子はコチラ。

Youtubeで見られる、白熱したファイナル1日目の様子はコチラ


カクテルを作る手を休めず、ベーススピリッツから副材料、コンセプト等を丁寧に説明する様子はまさに接客のプロフェッショナル。

そのほかにカクテルのイメージに合うグラスを用意したり、テーマに合わせてカウンターに花などをあしらったり、審査員のバックグラウンドに合わせた提案をしたりと、バーテンダーによってさまざまな趣向が凝らされていた。

日本チャンピオンが決定した2日目の様子はコチラ。

日本チャンピオンが決定した、2日目の様子のYoutube動画はコチラ


見ているだけで、カクテルってこんなに奥深いものなのか! と驚くこと間違いなしのプレゼンテーションばかりで、BARや酒好きなら前のめりになってしまうはずだ。

日本トップバーテンダー渾身のカクテルを楽しみたいと思った人は、1次審査を通過した50人のバーテンダーがいるBARを紹介した「WORLD CLASS 2022 BAR MAP」をチェックするといいだろう。



彼らのいるBARに足を運べば、これまでにないカクテル体験が叶うはずだ。
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総合優勝者は宮崎の人気BARから。TOP3人が魅せた最高の一杯

さて、激戦を制し、日本代表を誰が勝ち取ったのか気になるところだろう。

では順位を発表!

3位 竹田英和/Bar 霞町 嵐(東京)



2位 小坂 駿/京王プラザホテル(東京)

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1位 緒方 唯/Wine&Bar 麦家(宮崎)

 
2022年の日本代表は、宮崎県にある人気BARに勤める女性バーテンダー、緒方 唯さんに決定!

さて、この3人が部門優勝を果たしたカクテルもご紹介しよう。


Bar 霞町 嵐 竹田英和さんのシグネチャーカクテル


西麻布の隠れ家的BARで腕を振るう竹田さんは、シグネチャーカクテルチャレンジで優勝。

決勝に残った10人の中で最年長というだけあって、終始落ち着いた、ウィットに富んだ語り口が印象的だった。

オランダのプレミアムウォッカ「ケテル ワン」を使用したカクテルは、同じオランダ出身の画家ゴッホの「ひまわり」がテーマ。



さまざまな黄色を重ねて描かれたひまわりと同じように、カクテルもすべての材料を黄色に限定というこだわりよう。最後は挽いたひまわりの種を振りかけて作られたカクテルは、穀物の旨味と柑橘感を楽しめる一杯。

“太陽がもたらすもの”を意味する「ソーリ フエル」と名付けられたカクテルは、太陽の下で飲むのにもぴったりだ。


京王プラザホテル 小坂 駿さんの食前酒&食後酒


今大会最年少の小坂さんはアペリティフ&ディジェスティフ チャレンジ部門で優勝。

調理師免許も持っているという小坂さんは、栄養学的な知識から食前酒や食後酒を作り上げた。

アペリティフ(食前酒)は、ウォッカ「ケテル ワン」とWHOが食前に食べることを推奨しているというキウイを使用。

後味をすっきりとさせるため、ワサビを「タンカレー」で伸ばしたオリジナルシロップを加えていて、どんな味なのか、想像が膨らむ。



ディジェスティフ(食後酒)は「ロン サカパ 23」を使った「カラヒージョ」をアレンジ。あんこやマスタードソースなど、こんなものもカクテルに使えるのか!という驚きのアイデアが満載の一杯を仕上げた。


Wine&Bar 麦家 緒方 唯さんの世界を巡る6種のカクテル


総合優勝を果たした緒方さんは、スピード&テイストチャレンジ部門で優勝。

5分間で6種類のカクテルを作るというスピード勝負のこの部門では、「カクテルを作る」ことだけに注力しがちなのだが、

緒方さんは「コロナ禍で海外旅行に行けない今、カクテルで世界を巡る」をコンセプトに、過去の世界大会開催国をテーマにしたカクテルを作成。

例えば、「ケテル ワン」のカクテルはインドをイメージして、チャイティーをプラス。「ザ シングルトン ダフタウン12年」を使用したミントジュレップは、南アフリカをイメージし、世界有数の生産量を誇るルイボスティーをプラスするなど、その物語を聴いているだけでも楽しいのだ。



完成したカクテルの脇にそれぞれの国への手製のチケットを添えたり、最終種目を終えた自分のために1杯多くカクテルを作ったりと、細かいところにまでこだわりが光ったプレゼンテーションだった。

ちなみにカクテルで世界旅行を提案した緒方さんだが、実は海外旅行は未経験。シドニーでの世界大会が初の海外旅行となるという。

「HELLO!,FUN-BAR Happy Hours∞」イベントでも、世界大会への意気込みを話してくれた緒方さん。

「HELLO!,FUN-BAR Happy Hours∞」イベントでも、世界大会への意気込みを話してくれた緒方さん。


「今回の優勝で自信がついたので、日本代表の自覚を持って、世界大会でも日本のBAR文化を世界に発信できるように頑張りたいです」。

一杯のカクテルに、それぞれのバーテンダーがどれだけのこだわりを込めて作っているか、わかっていただけたかと思う。

その他の日本トップバーテンダーが、どんな提案を行ったか。気になる人は「WORLD CLASS 2022 BAR MAP」をチェックしてみよう。BARやカクテルへの新たな発見があるはずだ。

技術や味を競うだけではなく、カクテルの新しい可能性や楽しさを教えてくれるWORLD CLASS。

日本代表となった緒方さんが、9月にシドニーで行われる世界大会でどんなカクテルを披露してくれるのか、世界のトップバーテンダーはどんな一杯を作るのか。


日本、そして世界最高のバーテンダーたちが、持ちうる技術とホスピタリティを発揮するWORLD CLASS。酒好きはもちろん、これから“いいBAR”を探したいという人もぜひチェックして、その年最高の一杯を探してみてほしい。 



[問い合わせ]
ディアジオ ジャパン
0120-014-969

林田順子=文 佐々木基之(ポーレンズ)=ムービー

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