Photo by Conservation International
▶︎すべての画像を見る あの、高級時計ブランドのパネライがゲーム会社とコラボを果たした。
意外すぎる組み合わせだけに瞬時に状況を理解するのは難しいかもしれないが、キーワードは「海洋保護」だ。
折しも、去る6月8日は世界海洋デーだったこともあり、オーシャンズとしても看過できないコラボレーションである。
お相手は“グリーン”に力を入れるレイザー社
さて、コラボ相手となるゲーム会社というのは、米・カリフォルニア州に本社を構えるレイザーだ。トリプルヘッドスネークの商標に見覚えのあるゲーム好き諸兄もいるかもしれない。
高性能なゲーミングハードウェアにおけるリーディングカンパニーで、世界中のおよそ30億人のゲーマーにサービスを提供している。
注目すべきは、「#GoGreenWithRazer」と銘打つ独自の持続プログラムを実施している点。
例えば、FSC(森林管理協議会)認証による梱包材の使用や、再生素材を用いたアパレルブランドの設立。あるいは、カーボンニュートラルに基づく再生エネルギーの推進、また、従業員に対するマインドセットの促進など、サステナブルなあらゆる取り組みを行なっている。
ここまで読み進めば、なるほど、サステナブルな未来に対するコミットメントが生んだコラボレーションなのだなと見当がつくだろう。
気になるコラボの内容は?
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冒頭でキーワードとして挙げた「海洋保護」。これこそが今回のコラボレーションの重要なポイントだ。
パネライCEOのジャンマルク・ポントルエ氏。
パネライとレイザーが、非営利団体「コンサベーション・インターナショナル(CI)」をサポートするというのが、コラボレーションの中身となる。
実際にサポートするのは、“マンタ”の呼称でも知られるオニイトマキエイのタグ付けによる行動研究の分野だ。
このパートナーシップでは、マンタに衛星タグを取り付け、行動データを収集。マンタが活動する水域の温度、水深、位置情報などと、既知のデータを組み合わせ、海洋生物の保護管理に役立てるというのだ。
ここで、過日オンラインで行われたローンチカンファレンスに登壇したCIのヴァイスプレジデントにしてアジアパシフィックエリアを統括するリチャード・ジェオさんの言葉を紹介する。
「海のために、私たちはともに何ができるか。これをターゲットに据えるのは自然な流れでした。
我がCIは長年、民間企業と協力してきた歴史があります。その活動を通じて確信するのは、民間企業は世界に変化をもたらす大きな力があるということです。
同じ価値観を共有する我々の活動により、自然保護の必要性を世界中の人々に伝えることができるのです」。
人々に大きな影響を与えるふたつの企業の協力を得ることが、このプロジェクトには欠かせないということだろう。
海好きならば、マンタが海の人気者であることはご存知だろう。実際、生態もよくわかっておらず、この研究分野をサポートすることは、守るべき海を知る意義深い取り組みだと思える。
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