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手を動かしている時間は、夢の中に浸っていられる

自宅のリフォームをはじめとするDIYやアウトドアと多趣味な浅見さん。バイクに乗るのは主に休日のみだ。



「ツーリングやロングライドが多いですね。クロスカントリーラリーの“北海道4デイズ”を走らせてもらったこともあります。

アドベンチャーバイクの魅力は、その先に続く“冒険”が見える気がするところでしょうか。実際にそうしたフィールドで乗るかどうかはともかく、その気になれば未舗装路、砂漠の上だって走れますし。

ラリー・モンゴリアとか、いつか機会があれば出てみたいんですね」。



バイクを介して、いろんな遊びや趣味に真剣になれる。そして、そのコミュニティの仲間は互いをリスペクトし合い、馴れ合いではない距離感で付き合えるもの心地いい。

「そんなの危ないんじゃないの? お金もったいなくない? ではなくて、面白そうだね! から話が始まるんですよ」。



手間暇や金銭的な面倒ごとはいったん横に置いて、好奇心ファーストで。

かつ、現状のものを活かしながら、できる範囲で手を動かす。



「たとえお金がなくて、いいパーツが揃えられなくても全然アリだと思うんです。いろいろと妄想を張り巡らせている時間だって、ある意味夢の中で過ごしているのと一緒。心の底から楽しいと思えるかが大切なんですよね。

自由な発想と可能性の中に浸っていられるから、いろいろと自分で手を動かすのが好きなのかな。『人生、楽しんだもん勝ち』だと思っていますから」。



浅見さんの「R100GS」は、電子制御で高度にチューンされているわけではない。

「70歳まで乗ることを考えて、あと20年乗るための部品を準備しておこう、と思っているんですよ」。



自分で修理したり、カスタマイズできるシンプルさを残している点にこそ、魅力があるのだ。

バイクに限らず古きよき時代のものに惹かれる理由は、きっとそんなところにあるのだろう。単なる懐古主義で終わらない、未来を見据えた素敵な関係性が、そこにあった。

小澤達也=写真 礒村真介(100miler)=取材・文

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