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2022.06.12

ファッション

ポリエステルを着る=海を守る!? ファッションを通じた格好いい海洋保全活動、2つの形



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ポリエステル製のTシャツを着ることが海の環境を守ることにつながるって?

世界的なメゾンもドメスティックブランドも等しく、アップサイクル素材のTシャツを通じて海への思いを表現している。

ディオールがファッションを通じて目指す、海洋環境の明るい未来

17あるSDGs(持続可能な開発目標)のひとつが「海の豊かさを守ろう」。

海の資源・環境保全において近年問題視されているのが、海に漂うプラスチックごみとそこから発生するマイクロプラスチックだ。

世界の海には現状1億5000万tのプラスチックが存在するといわれ、そのうえ年間800万tのプラスチックが新たに流入しているという。

そのごみが波や紫外線などの影響で劣化し、5mm以下の粒子となったものがマイクロプラスチックだ。プラスチックごみもマイクロプラスチックも生分解されることなく、世界中の海に浮遊し堆積し続けている。

こうした現状に対し、ビーチウェアのカプセルコレクションを通じて問題提起するのがディオール。海洋環境保護団体「パーレイ フォー ジ オーシャンズ」とコラボレーションしたTシャツを製作した。

 

「パーレイ オーシャン プラスチック︎」はTシャツのほかにもトラックジャケットやショーツ、ハットなどの小物類まで、多彩なアイテムに使用されている。14万5000円/ディオール(クリスチャン ディオール 0120-02-1947)


その深いブルーはまさに海のごとし。肩のファスナーや背面のラバーパッチといった細かいディテールでスパイスを利かせている。

卓越したデザイン力はさすがのひと言だが、このTシャツの核心は生地にある。

世界中の海岸で回収されたプラスチックと漁網から生まれたポリエステル素材「パーレイ オーシャン プラスチック」を使用しているのだ。

 

アドリア海をイメージしたプリント柄。16万5000円/ディオール(クリスチャン ディオール 0120-02-1947)


「パーレイ オーシャン プラスチック」とはモルディブ、ドミニカ共和国、スリランカなど、世界中の海岸や離島で回収されたプラスチックごみを原料とした素材。

海洋環境保護団体「パーレイ フォー ジ オーシャンズ」により開発された。

このTシャツを含むビーチウェアのカプセルコレクションでは、それぞれの製品から発生するカーボンおよびプラスチックフットプリントの10倍の量を、自然もしくはプラスチック代替素材開発への投資、バージンプラスチックの使用削減により埋め合わせる取り組みを行っている。


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