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スター・ウォーズ好きも唸るハイテク感



旧型ではモーターのみで最大65.0km走ることができたが、バッテリー容量が増えた新型では最大87kmにまで延びている。

エンジンが働いていない車内は極めて静か。また駐車場の出口の段差を超えてもミシリともいわない、ガッチリとした剛性感がある。旧型と比べてボディ剛性や静粛性が高められたことは、乗り比べるとすぐにわかる。

「このミチッとした“塊感”とかも高級車になったなぁと思う部分。安心感があるね……あれっ。メーター内だけじゃなく、フロントウインドウにも何か投影されてるじゃん」。

自車速度とともに、ナビや走行している道路の制限速度標識が投影されるヘッドアップディスプレイ。カーナビの情報や、オーディオの楽曲情報などもドライバーの目の前のウインドウに映し出される。

「ウインドウというか、その先に浮いているように見えるよ。これならメーターや操作パネルをいちいち見なくていいからすごく楽。運転中に視線を動かさなくてもいいから、ハンドル操作に集中できて安全だしね」。

知らない土地をしょっちゅう旅する種市さんには、かなり刺さる機能らしい。

「だって道路の標識を目で探しながら走るなんて、誰でも正直あまりしないでしょ。やっと標識を見つけて、メーターを見たら速度オーバーだと気づいて慌てて減速したり。そういうのって面倒だし、そもそも視線をしょっちゅう変えてたら疲れちゃうし、危ないよ」。

というか、と種市さんは続ける。「まるでSF映画の宇宙船を操縦しているみたいだ(笑)。俺、スター・ウォーズが好きだから、このハイテク感はヤバいな」。



そういって握るステアリングには旧型同様、ステアリングヒーターが備わっている。「これもいいよ。スノーボードの帰りなんて特に。かじかんだ手じゃ運転がおぼつかなくなったりしちゃうから」

今回の試乗では街中を試乗しただけなので、「スノー」や「グラベル」といったドライブモードの切り替えまでは体感できなかった。

けれど、モーターならではの力強い加速感や、モーターとエンジンの切り替えなどは旧型から乗り換えても何の違和感もない、と種市さん。

その上で「高級車だよ、これは」と話し、見た目も乗り心地も、何もかもが高級車へとアップグレードされていると断言する。



ところで「お洒落であるより、格好良くありたい」と言う種市さんのスタイルに注目し、「種カジ」を連載している我々としては、種市さんの目に「新型」の「国産車」がどのように映っているかにも興味がある。

てっきり輸入車やヴィンテージ車が好みなのかと……。

「確かに古い物の良さってあると思う。だからビンテージものは好きだけど、それに新しいモノをハイブリッドしちゃうのが面白いっていうか。今持っているiPhoneだって最新だし、時計もアップルウォッチ(笑)。だいたい、古い車じゃ旅なんて気軽に出掛けられないじゃない?」。



実はかつて、古い輸入車で京都を旅行していたところ、パタッと止まってしまったことがあったのだという。楽しかった旅も強制終了。そんな苦い実体験からくる、リアルな車選びなのだ。

「アウトランダーPHEVは自分にとってスニーカーみたいな、スリッポンみたいな感じ。パッと履いて出掛けられる。思い立ったらどこでも行ける気軽さがいい。ボクのライフスタイルにはぴったり。無理してヴィンテージ系の輸入車に乗るんじゃなく、サラッと日本車に乗るほうが、ボクはカッコいいと思うな」。



特に、車を止めていても愛犬のためにエアコンをつけられて、地元の美味しいものをその場で食べられるアウトランダーPHEVは、まさに種市さんのアクティブなライフスタイルにすごくフィットしている。

車も新旧、国産輸入車を問わず「自分のライフスタイルにあったもの」を選ぶのが“種カジ”流なのだ。



佐藤ゆたか=写真 籠島康弘=文

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