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2022.06.01

ファッション

グラフィックvs.無地。「ルイ・ヴィトン」の2枚のTシャツを見比べて感じた、贅沢な悩み

 

左が定番コレクションの白無地Tシャツ。肩部分にはインサイドアウト風ステッチが入るなど、ヒネリの利いた要素もチラリ。右は2022AWメンズ・プレコレクションからの新作。ご覧のとおり、生地の風合いやシルエットは左とほぼ同じように見え、中綿の入る立体的な刺繍が異彩を放つ。左から7万8100円、11万4400円[予価]/ともにルイ・ヴィトン 0120-00-1854

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Tシャツ選びの本懐は、その自由さにある。

僕らは時として、シルエットや合わせやすさで賢く着こなせる無地を選び、時として、カルチャーやアティテュードを胸元や背中で楽しく自己主張できる柄モノを選ぶ。Tシャツはそんな二律背反を許す最高の相棒。

そして、その好例がここに並んだルイ・ヴィトンだ。

メンズ アーティスティック ディレクター、ヴァージル・アブローが定番を新解釈して産み出したライン「ルイ・ヴィトン ステープルズ エディション」の一枚からは、肉厚でドライな生地選びや程良くワイドなシルエットに絶対基準の高さを感じる。

 

背面のネック下に付くタグ。


一方で新作のTシャツは、メゾンのロゴを立体的なデザインでグラフィティ調にアレンジ。単なるロゴTに収めないセンスでテンションを爆上げしてくれる。

 

肩口に施されたステッチ。どちらもディテールはほぼ同じ。それでも印象はこんなにも違うのだから悩ましい。


さて、どちらにするか。同門で「悩める贅沢」を享受しつつ、僕らのTシャツ選びには大いなる可能性があると確信した次第である。

作木正之介、Taichi=写真 星 光彦、野上翔太=スタイリング 加瀬友重、髙村将司、増山直樹、早渕智之=文

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