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体に糖が十分足りていれば糖新生は起こりませんが、グリコーゲンを完全に枯渇させなくても、グリコーゲンからブドウ糖への変換が起こることが刺激になって、脂肪や筋肉から糖が作られ始めます。

つまり、脂肪が分解されて減っていくということです。

少し専門的になりますが、もう1つ、空腹がもたらすメリットがあります。糖尿病でない人の場合は、糖新生が行われるときに脂肪が分解されて生まれる物質「ケトン体」は、糖に代わって体を動かすエネルギーになります。

ケトン体についてはいろいろな研究が進んでいて、ケトン体をエネルギー源にすると、「集中力」や「持続力」が増すという報告も。スポーツ界でも注目されるなど、その有用性が認められつつあります。

がんばらなくてよい減量法を求めて…

肝臓をいたわる食べ方のコツは、まずは3食のうち1〜2食をマンネリ化してみることです。

『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド』(KADOKAWA)

『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド』(KADOKAWA)


バランスを考えて作って食べるのは、1日1食だけ。残りの食事は、野菜たっぷりの宅配弁当や、前日のみそ汁に豆腐と卵を加えた具だくさんのみそ汁などと固定してしまうのです。続けるためには、がんばりすぎないことがとても大切です。

そして、脂肪肝を改善するのに、遅すぎることはありません。もし、一度目はうまくいかなくても、いつからでも、何度でも、再スタートすればよいのです。

肝臓には、それを受け止めるだけの再生力があります。一生続けられる、無理しない肝臓のいたわり方を知り、多くの方が健やかな肝臓で過ごされることを願っています。



尾形 哲:肝臓外科医
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記事提供:東洋経済ONLINE

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