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不思議な生物を学ぶ。ユーグレナ(ミドリムシ)とは何ぞや?

せきね 「ユーグレナとは何ぞや」という、初心者の第一歩を正確に知りたいですね。

星野 まず、ミドリムシというのは虫なのかという、そこからですよ。お願いします。

出雲 そこが一番大事なんですよ。テレビとか新聞とか雑誌とか、メディアはいろいろあるじゃないですか。私、ラジオが一番楽しくて仕方ないんですよ。

星野 私もラジオに行くと、結構時間が自由じゃないですか、テレビよりね。だからゆっくりしゃべれる。

出雲 ラジオで私、何が楽しいって、もうとにかく聞いている人が「今日はミドリムシの人が来ました」と言われると、それを聴いたタクシーの運転手さんとか、美容院で髪の毛切っているときとかに、「え、今日、何でミドリムシがラジオに来たの?」というところから始まる。

みんな間違って想像していて、イモムシとか毛虫が来たというイメージからスタートするので、もうタクシーでも美容院でも、「いや、何かミドリムシがラジオに来るなんて、もう世も末ね」って、言われたりする(笑)。

ミドリムシの話や近い将来の計画などを熱く語る出雲氏。365日、‘ミドリムシ’と同色のネクタイがトレードマーク。

ミドリムシの話や近い将来の計画などを熱く語る出雲氏。365日、“ミドリムシ”と同色のネクタイがトレードマーク。


最初に、そもそも皆さんが思っているのは虫というか昆虫なんですね。私がやっているミドリムシとは海藻なんですよ。水草とか、ワカメなの。

みんなが思っているのはイモムシかもしれないけれど、ミドリムシの本当の正体はワカメなんですね。

ここでもうみんなズコーッてなって、「えー、知らなかった。ずっとイモムシだと思っていて、もう恥ずかしい」となってくれる。

実は海藻なんだと知ってホッとしている人がけっこう多い。その都度、「ああ、よかった。ここで知ってもらえて」と思いますよ。

星野 だけどイメージ的には海藻という表現は……。微生物的な感じがしたんですけど、私は。

出雲 ああ、なるほどね。そっちの考え方の人はプランクトンとか、植物プランクトンなんですけど、プランクトンというと、ああ、そういうことかと。

星野 動いているし、目に見えないぐらい小さいし。まず、大きさから言うとどのぐらいなんですか?あれは。

出雲 大きさね。0.05~0.1ミリ。

星野 だから海藻というイメージよりも、0.05~0.1ミリの微生物というふうに言った方が、一般の人には分かりやすいかもしれないです。

微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)

微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)


出雲 なるほどね。

星野 私は最初に出雲さんから聞いた説明が一番わかりやすかった。光合成をしている植物は動かない。だけど、このミドリムシは、光合成をしているのに動いていく。昨日のお話だと、光の方にちょっと動くみたいな。そういう原生生物というような定義がぴったり。

出雲 植物の永遠の悩みって、光のほうに動けないこと。人が間違って日当たり悪いところに植えたら、植物的には悲惨なんですよね。自分で陽当たりのいいところに移動できないから枯れて死んじゃうんですよ。でもミドリムシだけが唯一、お陽ひさまが無いと明るいところに行って光合成ができる。最高の生き物ですよね。

星野 なるほど。だからウニュウニュ動けるけど植物のような生き方なんだ。

出雲 これでもうミドリムシ博士ですよ。(笑)


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