ホテル、いかない?●ハイセンスなカプセルホテルや、体験が売りのコンセプトホテル、泊まらずとも特別な時間が過ごせるシティホテルなど、TOKYO 2020に向けて急速に変わりつつある東京のホテル事情。それをチェックしたら、ねぇ、ホテル行かない?
茶道、華道、香道、武道……日本には独自の文化がたくさんある。しかし、よ~~~く思い出してほしい。今までどれだけの日本文化を体験したことがあるだろうか?
もしかしたら外国人の方が日本文化を多く体験しているかもしれない。日本人たるもの、自国の文化を嗜まなくてどうする。
とはいえ、どこでできる? 作法が厳しいのでは? 申し込みが面倒くさい? などとハードルが高いのも事実。そこで、ホテルの出番である。
舟でうなぎ、目覚めに剣術……令和に味わう江戸情緒
徳川四天王の酒井家の上屋敷跡に建つ日本旅館「星のや東京」は、江戸とのつながりが感じられる歌舞伎座巡りや古地図歩き、相撲部屋の朝稽古の見学など、日本文化を堪能できるプログラムが数多く用意されている。
なかでも人気を集めているのが、風雅な「舟あそび」体験だ。
日本の四季の魅力を味わってもらおうと、春・夏・秋・冬と季節ごとにそれぞれ異なる内容になっていて、今年の冬は「東京・冬の夕暮れ舟あそび」と題した舟遊びが楽しめる。
午後4時、日本橋桟橋から乗船する舟は、自分たちだけの貸切。行灯が灯る桟敷席には、寒さをしのげるようにコタツや半纏が用意されていて、冷えた体を温めてくれる。舟は日本橋川をくだり、隅田川を経て、神田川へ。冬の澄んだ空気の中に現れるライトアップされた東京の景色は、普段見ている光景とは違う感動的な美しさだ。
同乗するガイドの解説を聞きながら、1800年創業のうなぎの老舗「うなぎ割烹 大江戸」のうな重と熱燗を味わう120分のクルーズは、言葉には表せないほど幸せを感じること間違いなし。
あえて外に出ずとも、日本文化を堪能できるのも「星のや東京」ならではだ。
朝は「北辰一刀流」の剣術の所作と深呼吸を組み合わせたプログラムで体を目覚めさせ、午前中は茶の湯や香り合わせ、夕方には江戸太神楽の曲芸が楽しめて、1日を通してさまざまな日本の文化に触れることができるようになっている。
東京のど真ん中で日本文化にどっぷり浸るホテル体験も、大人にはタマラナイはずである。
星のや東京住所:東京都千代田区大手町1-9-1電話:0570-073-066(星のや総合予約)https://hoshinoya.com/料金:1泊1室8万4000円〜「東京・冬の夕暮れ舟あそび」 2名 12万7000円※別途宿泊料 林田順子=文