どうです? 格好イイでしょ? さすがはブルガリ。こちらは、腕時計ファンならばご存知、ブランドが誇るアイコニックウォッチ「オクト」コレクションの最新作、「ブルガリ フィニッシモ ウルトラ」だ。
「ブルガリ フィニッシモ ウルトラ」チタンケース×タングステンカーバイドプレート、40mm径、手巻き。約5275万円(予価)/ブルガリ(ブルガリジャパン 03-6362-0100)
数々の歯車が剥き出しなだけでなく、左上にはQRコードらしきものも。
ダイヤル内の情報が多過ぎて頭が渋滞してしまうが、それらのすべては、厚さ1.8mmという空間に収まっている。
機械式手巻き時計における世界記録を更新した、驚きの“薄さ”。その凄さをいかにして語るべきか。
まず、時計界において機械式時計の“薄さ”を競う伝統があることをお伝えしたい。
腕に装着する実用品ゆえ、使い勝手を追求した結果、薄さを求める向きがあるのは、理解いただけるだろう。
厚ければ、そのぶん重くなるというだけでなく、手を動かした際にどこかにぶつけたり、シャツの袖に収まりづらかったり、と不都合も生じてくるからだ。
そんななかで、「超薄型」時計というプラットフォームが、ウォッチメーカーがその技術を競い合う場となった。
超複雑時計=いわゆるコンプリケーションウォッチを作るほどの実力派たちが、エクストラフラット、ウルトラシン、スーパースリムなどと呼称される「超薄型」の世界に参入し、ワールドレコードの更新合戦が始まったのだ。
実際、こうした歴史のなかで生まれた「超薄型」時計は、目を見張る技術の展覧会といえる。
そして、ブルガリもまた、2012年に「オクト オリジナーレ」を嚆矢に「オクト」コレクションを発表し、その後の2014年から、「オクト フィニッシモ」シリーズをもって「超薄型」の世界に殴り込みをかけていく。
これらが、ブランドが「サガ(SAGA)」=英雄と呼ぶ、歴々のワールドレコード更新ウォッチたちだ。2014年の誕生から7年連続で世界記録を塗り替え、60以上の国際的な賞に輝き続けた「オクト フィニッシモ」。なかにはトゥールビヨン、ミニッツリピーターなどの複雑機構を備えたものも揃い、時計界の「超薄型」を極めてきた文字どおり、英雄なのだ。
そしてこの度、そこに加わったのが、スイスの新作発表会「ウォッチズ&ワンダーズ 2022」で、詳細が明らかになった本作ということになる。
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