看板娘、登場
「よろしくお願いします」。
こちらは医療ビジネス薬科学科の栄養薬学コースで教鞭をとる管理栄養士の今井菜美さん。山形県の松山町で生まれ育った。
現在は合併により酒田市に編入されているが、ご本人いわく「家がある場所はかなりの田舎」だという。
小学校は片道3kmぐらい離れていたそうです。
「しかも、『清川だし』といって日本三大局地風のひとつとされる強風が吹くんです。傘はすぐに折れちゃうから禁止。雨や雪の日はみんなカッパを着て登下校していました」。
ちなみに、冬になると小学校の体育の授業はすべてスキー。1、2年生のうちは近くの山までスキー板を担いで行って滑る。3年生になるとようやくスキー場で練習できたそうだ。
蔵王温泉スキー場でのひとこま。
そんな菜美さんは高校2年生ぐらいから、漠然と「将来は管理栄養士になりたい」と考え始めた。
「理系だったので、最初は看護師になろうと思っていたんですが、看護師は病気になってからのケア。一方で、管理栄養士は病気になる前のケアも仕事にできる。バランスよく栄養を摂ると髪ツヤが戻ったり病気の予防にもなると知って、ああ、これだと」。
女子栄養大学時代は仲間たちと食育活動に励む。オリジナルの『栄養新聞』を作って小学生の保護者に配るなどもしていた。
この号のテーマは「カルシウム」。
菜美さんはそのまま大学院に進学。そこでは、アスリートの骨の強さと栄養の関係について研究する。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKがとくに重要なんだそうだ。
大学院の同期たちと記念撮影。
卒業後も研究員として学校に残ったが、もともと日本薬科大学の陸上部の栄養調査もしていたつながりで、助教として現在の職場に転職した。
そう、日本薬科大学は陸上部の指導に力を入れており、学生からも「栄養指導をしてくれる先生がほしい」という声が上がっていたのだ。
自宅の本棚には栄養関連の書籍がずらり。
「学生食堂にも栄養士さんがひとりいますが、私は男子陸上部を専門に見ているんです」。
当面の目標は箱根駅伝の本戦に出場すること。
基本的には何を作っても美味しいと言ってくれるそうだが、若い男子は好き嫌いも多い。
「トマトとナスはとくに不人気なので、カレーに全部ぶち込んで栄養バランスを取っています
ね」。
いかにも持久力が付きそうな献立。
メニューは毎回記録を取って、大学側に報告している。
とにかく品数が多いし、牛乳は必須のようだ。
育ち盛りのアスリートも大満足のバックアップ体制。
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