街乗り用にコンパクトEVという選択はありだけど、気分があがる車がなかなか……。
という人のために、旧型の
「500(チンクエチェント)」を博物館が電動化した車を紹介したが、ついに、本家フィアットの電気自動車「500e」がやってきたぞ!
マイナーチェンジしたデザインと専用カラーを纏った見た目はちょっぴりクールになっただけど、どこから見ても我々の大好きなチンクエチェントだ。
フィアット「500e」。
全⻑3630mmという、日本の狭い道を走りやすいサイズもほとんどガソリン車時代と同じ。でももちろん、モーターで動く。
200Vの普通充電と、日本の急速充電規格(CHAdeMO)にも対応。満充電での走行距離は335kmと、もともと街乗り中心であるこのサイズの車には充電時間が長くなりすぎないちょうどいい電池容量と言えるだろう。
2本ステアリングの奥に、速度計などを映す大きな丸型ディスプレイ。インパネに並ぶスイッチと、インテリアはルパンやエンツォが乗ったチンクエチェント(ヌオーバ500)から受け継ぐシンプルさが残る。
といっても速度計は液晶パネルだし、シフトレバーの代わりに備えられたのは「P/R/N/D」のスイッチ。こんな風にちゃんと現代バージョンへとアップデートされているのだ。
慣れない人も安心できて、500ファンも満足できる
特に、ガソリン時代と比べて大幅にアップデートされたのが、先進安全運転支援技術だろう。
待望の衝突被害軽減ブレーキはもちろん、ウインカー操作なしで車線をはみ出そうとすると警告音と共にステアリングが振動して注意を促してくれる。
また先行車と一定の車間距離を保ちながら設定速度で巡航するアダプティブクルーズコントロールや、車線中央の走行を維持するレーンキーピングアシストなどが標準装備。
この辺りはつい先日まで販売されていた旧型500とは隔世の感がある。
深みのある「オーシャン グリーン(メタリック)」カラーはよりクールなイメージに。
エンジン音のない、静かな電気自動車だとはいえ、そこはチンクエチェント。周囲の人に車が近づいていることを知らせるため、オリジナル曲を流すという。しかもイタリア人作曲家ニーノ・ロータにわざわざ依頼したメロディを。
ほかにもフィアットのロゴがあしらわれたモノグラムのシート表皮や、トリノの街並みが描かれたスマートフォントレイなど、遊び心も忘れていない。
日本に導入されるのは3モデル。3ドアハッチバックでエントリーグレートとなる「Pop(ポップ)」と、同じく3ドアハッチバックで装備充実の「Icon(アイコン)」、さらにIconと同等の装備をもつカブリオレの「Open(オープン)」だ。
車両本体価格は450万〜495万円。ただし現時点で買うにはフィアットが用意している「フィアット・エコ・プラン」か「パケット・フィアット」のいずれかのサブスクリプション型カーリースを利用することになる。
詳細はディーラーでご確認いただきたいが、いずれにせよ「電気自動車は今すぐじゃなくてもいいし、まずは試してみたい」なんて人には、ピッタリだ。
開閉可能なソフトトップを備えた「Open」。
波乗りやキャンプなどの遠出や遊びはほかの車に任せるとして、街中をスイスイ走って、しかもちゃんとわくわくする電気自動車なら、この500eはピッタリなんじゃないか。