トヨタモビリティ神奈川によってフルレストアされたカローラレビン(筆者撮影)
そうした経緯もあり、同社では、レストア事業を本格的に始動。今までに下取りで入ってきたカローラレビンを修復したほか、現在はチェイサー ツアラーVをレストア中だ。
展示会では、内外装を取り外し、エンジンを降ろした状態という、修復中の車両を展示。リフレッシュの最中である各部品類も並べたほか、ピットにおける修復作業の模様も写真で紹介した。
現在、レストア作業を行っているチェイサー ツアラーV(筆者撮影)
担当者によれば、「(昔は)3年乗ったら新車に買い替えましょうといった営業をしてきたが、今はそんな時代ではない」という。
この数十年間と比べると、現在は、かつてほど新車の販売台数が伸びない時代。
同社のレストア事業は、そんなご時勢だからこそ、自社が扱う車を長年大切にし、思い出や愛着など、さまざま思いを抱く顧客へのサービスとして行っているという。
従来とは違う「顧客をより大切にする」活動を行うことで、トヨタ車や同社と長い付き合いがあるユーザーはもちろん、その活動を見た新規ユーザーも含めた「ファンを増やす」ことが目的だ。
いわば、競争が激しい新車販売の現場における、新たなPR施策。同社では、こうした取り組みにより、自社や取り扱うトヨタ車のブランド力を向上させ、結果的に新車販売や売上の向上へつなげることを大きな目標としている。
ネッツトヨタ富山の活動について
ネッツトヨタ富山で、レストア事業を担当している「GRガレージ富山新庄」が展示したセリカ(筆者撮影)
一方のネッツトヨタ富山では、今回の展示会にトヨタのスポーツブランド「GR」を扱い、レストア事業も手がける「GRガレージ富山新庄」として出展。
1970年に発売されたクーペモデルの初代「セリカ」と、1977年に発売された初代「チェイサー」のうち、歴代唯一の2ドアハードトップ車を展示した。いずれも、当時の若者を中心に大きな支持を受けたスポーツモデルだ。
ちなみにセリカは、純正の状態を完全に復刻した事例として展示。対するチェイサーは、レストアに加え、当時流行したエアロパーツなどのカスタマイズを施した仕様を披露することで、同社の豊富な技術力をアピールした。
4/5