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2022.03.31

ファッション

新旧「エア フォース 1」を徹底比較! 知れば知るほど奥深いスニーカーの世界


「May the AIR FORCE 1 be with you」とは……

1982年にバスケットボールシューズとして登場したエア フォース 1。いまではスポーツの枠を飛び越え、ストリートでも圧倒的な支持を集めているのはご存知の通り。

いまもなおシーンをリードし続けるこのシューズは、いかにして進化を遂げたのか?

▶︎記事末の動画もCheck it OUT!

YUSUKE TAKEI●25年に渡りエア フォース 1を集め続け、SNKRSでも紹介されたナイキ公認のコレクター。600足以上を誇るコレクションは現在も増え続けており、ありとあらゆるモデルを知り尽くしたエア フォース 1マスターといえる。

YUSUKE TAKEI●25年に渡りエア フォース 1を集め続け、SNKRSでも紹介されたナイキ公認のコレクター。600足以上を誇るコレクションは現在も増え続けており、ありとあらゆるモデルを知り尽くしたエア フォース 1マスターといえる。

その変遷を、エア フォース 1コレクターであるYUSUKE TAKEIさんに、過去モデルと現行モデルを比較しながら教えてもらった。

まずはここを見よ! 初代モデルの3つの特徴

エア フォース 1の新旧モデルが同じテーブルに。その違いはどこにある?

エア フォース 1の新旧モデルが同じテーブルに。その違いはどこにある?


ここに並んだ4足のエア フォース 1は、いずれもTAKEIさんのコレクションからピックアップしてもらったもの。

パッと見、年季の入り具合をのぞいてさほど大きな違いはないように見えるが……?

1982年発売の初代モデル。

こちらは1982年発売の初代モデル。


「写真の左から年代の古い順に並べてみました。ポイントを絞って見てみると、その違いがわかりやすいと思います。

まず左端の一足ですが、これは1982年に発売されたエア フォース 1で、すべての原型になったモデルです」。

メッシュのサイドパネルは初代モデルでしか見られないディテール。

メッシュのサイドパネルは初代モデルでしか見られないディテール。


「トウの部分を見ていただくとわかるように、それ以降に登場するモデルに施されているベンチレーションホールがありません

ここに空気穴がない代わりに、サイドがメッシュになっていて、足が蒸れないように通気性を確保する仕様になっています。

あと細かい違いですが、このモデルはヒールの中心に補強パーツが付きません。以上がこの初代モデルを特徴づける大きな3つのポイントです」。

YUSUKE TAKEIさんの私物は、購入時からくるぶしのベルトが付いていなかったそう。

TAKEIさんの私物は、購入時からくるぶしのベルトが付いていなかったそう。


この初代モデルは、発売されたのと同じ1982年のうちにマイナーチェンジを遂げる。

トウにベンチレーションホールが入り、サイドパネルがレザーに変更された次のモデルは、現行モデルと近い姿に。

82年後期型。サイドはステッチの施された一体成型。

こちらが進化を遂げた82年の後期型。サイドはステッチの施された一体成型になっている。


「これはだいぶいまのモデルに近いデザインになっています。ただ、サイドの切り返しが違っているんです。

いまはもう一枚ヒールパネルが付いていますが、これは一体成型になっている。’82〜83年にかけてはこの形で出ています」。

わずかな違いで、歴史がわかる

82年後期型と、83年発売のローカットモデルを比較。

82年後期型と、83年発売のローカットモデルを比較。


エア フォース 1のオリジナルが誕生した翌年、1983年には初めてローカットが登場した。

「このローカットは、2番目に出たハイカットと同じようにトウにベンチレーションが付いていて、サイドパネルも一体成型された一枚革の仕様です。現行のローカットはサイドパネルがもう一個入っているので、そこが違いますね。

トウの幅の補強が違うなど若干の違いはありますが、’83年のモデルが現在のモデルと概ね同じデザインに仕上がっているのはすごいですよね」。

現行モデルのローカット。

現行モデルのローカット。


ちなみに、エア フォース 1はヒールからトウまでフルレングス・エアが入っており、クッションがほぼ全体に働くように設計されているが、この点はオリジナルから現在まで変わらない。

現行モデルのみに付くデュブレ。

現行モデルのみに付くデュブレ。


「他の違いでいうと、この特徴的なデュブレ。これって結構新しくて、1990年代後半に出始めて、2000年過ぎから多くのAF1で付けられるようになったんです。当時のオリジナルにはデュブレはありませんでした」。

おさらいになるが、デュブレとはナイキ社により考案されたシューレースに付ける金属製のバッジのこと。サイズこそ小さいが、印象を左右するディテールのひとつだ。

ヒールのロゴにも違いが。

ヒールのロゴにも違いが。


「ヒールのロゴはこんな感じで、昔は“NIKE AIR”だけだったのが、いまはスウッシュが入っています。ただし、昔のロゴもいまはNike By Youで選択することができるので、当時と同じデザインを気軽に楽しめるようになっています」。

わずかな差ではあるが、ヒールまわりのシルエットが異なる。

わずかな差ではあるが、ヒールまわりのシルエットが異なる。


「並べて見たときのシャープさもちょっと違くて。ヒールにかけてのシルエットがオリジナルのほうがシャープになっているのがわかりますか?

ナイキにはぜひオリジナルのシルエットを再現したモデルを出してほしいですね。40周年にとは言わないので、ぜひ50周年に完全再現を期待しています!」。


完成されたデザインだからこそ、変わらない姿も、その時代を反映したようなスタイルも、両方を楽しめるのがエア フォース 1の魅力。

誕生から40周年を迎える今年、ぜひ自分好みの一足を手に入れて、その魔力を存分に味わい尽くして欲しい。

動画版はこちら!



佐藤ゆたか=写真 倉持佑次=取材・文

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