サステイナブルに関する意識や取り組みは原理的に「正しいこと」である。正当な理由があるゆえ、そうすべきであることは確か。
ただしそればかり考えると、ときに息苦しさや窮屈さを覚えてしまうのもまた事実。実際のところ我々はサステイナブルの正解を知り得ないし、今現在は学び続けていくことしかできない。
だからこそこの年齢まで生きてきた者のささやかな経験則として「つらいことは続かない」とも言いたいのだ。
難しいことはやさしく。硬いことは柔らかく。サステイナブルに関しても生真面目な対応ばかりではなく、楽しみながら考えることも忘れないようにしたいと思う。
そんな心境を力強く肯定してくれる、あるスニーカーが誕生した。
アッパーの各パーツ、シューレースをペインティング。あえて雑に塗ったように仕上げているのが面白い。それぞれのブランド名も手書き風にデザインされている。5万600円/ヴェジャ×マルニ(マルニ ジャパン 0800-080-4502)
ベースとなっているのはフランス発のスニーカーブランド、ヴェジャの定番。アッパーには環境保護団体が認証したレザーを採用。アウトソールはアマゾンの森で採取した天然ゴムや籾殻などから製作。
そしていち企業として、生産時のカーボンフットプリントを正確に計算し開示している。
4万1800円/ヴェジャ×マルニ(マルニ ジャパン 0800-080-4502)
そんな一片の曇りもないサステイナブルなスニーカーに、子供の落書きのように自由奔放なペインティングを施したのはご存じマルニ。
ヴェジャのサステイナブルなもの作りに共感し、今回初のコラボレーションにいたったというわけだ。
ファッション産業が地球環境に負荷をかけていることは紛れもない事実。しかしながらこうした「楽しいサステイナブル」を実現するパワーを備えていることもまた、紛れもない事実なのである。