議論を呼んだ、初の復刻版

エア ジョーダンシリーズは、マイケル・ジョーダンが引退するまで、過去のモデルをリリースしないという正式な決まりがあったらしい。



そのため、ジョーダンが1993年に“1度目”の引退を表明した翌年、初めてエア ジョーダン 1が復刻。それがこの一足だ。

「オリジナルと比べてやや全体のシェイプや革の質感も違います。同じように見えますが、この微妙な匙加減は、こだわり派の人にしか分からないかもしれませんね。まさにマニアの領域です」。



「オリジナルに最も近いといえば、『エア ジョーダン 1 レトロ HIGH OG（OGはオリジナルの略）』というシリーズが出ていますけど、それでも100％再現できているとは言い難い。

あとは『エア ジョーダン 1 HIGH 85』というモデルですね。当時と同じものを作るというのはやはり難しいようです」。

左が復刻で右がオリジナル。

写真ではわかりづらいが、たしかに並べてみると復刻の方が多少ふっくらして幅広のようにも見える。さらに鎌本さんは続ける。



「あとはスウッシュの材質も違いますね。デザインはほぼ一緒ではあるんですけど、フォルムや細かい部分に少なからず違いが出てきます。

国内ではオリジナルのエア ジョーダン 1にこだわる人が多いので、初めて復刻版が発表されたときは「残念だ」という声も実は少なくなかったんですよ。

しかも、スニーカーブームの’90年代ですからね。細部に目を光らせている人はかなり多かったと思います」。