数々の感動をくれた、北京オリンピック。スノーボードの平野歩夢選手が金メダルに輝いた瞬間は、まさにそのハイライトだった。
そんな平野選手が先日、アンバサダーを務める「オメガ」のトークセッションに登場。北京オリンピックは、平野選手自身にとってどんな時間だったのか。14分間のトークセッションの全容をお届けしよう。
半年という“時間”が生んだ金メダル
普段とは印象の異なるスーツスタイルで姿を現した平野選手。金メダルを手にしながら、今の心境をこう語る。
「今回の4年間は自分にとって、いろいろな経験と時間の中で迎えたオリンピックでした。(東京オリンピックから)時間は半年しかなかったのですが、その中でいろんなことを経験したものを活かすことで、金メダルをゲットできたのだと思っています。いままでと違った内容だったと実感しています」。
3本目の成功は、奇跡に近い“時間”だった
オリンピックの決勝という大舞台で、人類史上最高難度の技「トリプルコーク1440」を成功させた平野選手。技に挑む瞬間、彼の中では、どんな時間が流れていたのだろうか。
「この技に挑むことは半年前よりもっと前にイメージしていました。ただ、誰もできていない技だったので、初めて練習で挑戦したときは緊張で足が震えました。
オリンピック前までは大会で挑戦しても失敗ばかりでしたが、決勝の3本目で決められてよかった。あれを決めるのは奇跡に近いくらいの難易度。2回成功させなければならないというのは紙一重の瞬間で、自分でもギリギリだったなと思います」。
シーマスターに決めるまで、迷う“時間”はなかった
そしてこの日、平野選手の腕に飾られていたのは「シーマスター アクアテラ マスター クロノメーター」。この時計を選んだ理由は?
「いろんな種類の時計があるので選ぶのは難しいと思ったんですけど、シーマスターを見て『これだ』と思ってすぐに決まりました。時計に限らずシンプルなものが好きです」。
また、アンバサダーとしてオメガの時計に感じる魅力についてこう語る。
「(オメガの時計は)いままで自分が身につけてきたものとは違う、ニュータイプのもの。アンバサダーの話をいただいたとき、自分のやってきたことを見てもらえていたということが実感できましたし、モチベーションにも繋がってよかったと思います」。
これからもチャレンジする“時間”にしたい
次に挑戦したいことを聞かれると「幅が広くて一つには絞れないですが」と前置きしつつ、話してくれた。
「4年間のチャレンジでは、今まで経験した中でも一番苦しい葛藤があったのですが、そういう不安を受け入れていく中で、自分自身の気持ちや見えてくる景色が少しずつ変わっていきました。自分の中で充実していたと改めて感じた部分もありました。それが今回の結果につながっていったと思います。
今後は同じ形でも違う形でも、今以上の自分になれるように成長していきたいです。いろんなものと戦って、チャレンジしていきたいと思っています」。
この先の未来も期待させてくれる言葉でトークセッションを終えた平野選手。オリンピックの感動を思い起こさせてくれた、濃密な14分という時間だった。