「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 40代、リーダー世代。“上”も大事だが部下とのコミュニケーションにも悩みが多い。そんな仕事のモヤモヤに、組織と人事の専門家が答えます。
本日の相談者:45歳、メーカー勤務自分が部下のときに「上司からコミュニケーションとってくれない」ことが不満だったので、管理職になってからできるだけメンバーに声をかけるよう(リアルでもオンラインでも)心がけています。ところが部下から「任せられているのか、信頼されていないのか、どっちなんでしょうか」と面談で打ち明けられました。ショックです……。
| アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん) 1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。 |
上司は嫌われてしまうもの
基本的に上司というものは何をやっても嫌われてしまうものかもしれません。
2020年に実施されたBiz Hits(三重県鈴鹿市)の働く男女500名に対するアンケート調査によると、「職場に嫌いな上司がいる」と回答した人は73.2%にものぼります。そして「上司との関わりで一番イヤなこと」の1位(得票数78名)は「報告・相談・確認」でした。
上司からすれば、管理職とは文字通り「管理をする仕事」ですから、部下に指示をして、そのあと報告や相談や確認を受けるのは基本的な仕事なわけです。
これを嫌がられて嫌われてしまうとすれば、「それでは一体どうしたらいいのか!」と思いたくなることでしょう。
任されるのも嫌、管理されるのも嫌
それならばいっそ自由にさせてあげよう、と一切合切任せてしまうのもダメなようです。
日本能率協会マネジメントセンターが2016年に若手社員向けに実施した調査によると「最初に十分な説明のなかった依頼事項について、あとで間違いを指摘されたとき、どのように感じますか」という問いに対して、64.8%の人が「最初にきちんと説明してくれなかった相手に責任がある」としています(残りが「取り組む前にやり方を確認しておかなかった自分に責任がある」)。
1から10まで何をすべきか具体的に指示がなければ、それは上司のせいだと考えているとも取れます。
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