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エルメスは銀狼、Gショックは日本刀……職人技で表現したそれぞれの“美”
見るからに伝統工芸的なアートから、言われて初めてわかる繊細なクラフトまで、時計に見られる技巧は、多岐にわたっている。美術館、博物館級の芸術品を腕元に宿せるのが、こうしたアートピース。値段を見て驚いたなら、理由にも納得できるはず。
HERMÈS
エルメス/アルソー Awooooo
エナメルの技法で描かれた銀狼にエレガンスが薫る
エナメル技法は、懐中時計の時代から文字盤の代表的な装飾として長い歴史を誇る。ガラス質のエナメル粉末を文字盤の上にのせ、高熱で焼成し、発色させる。ガラス質で被膜された耐候性に加え、陶器のような独特のテリ感や艶が魅力だ。
この技法を用い、メンズスカーフに描かれたモチーフの狼を細密画で描く。三日月が浮かんだ夜空に向かって吠える銀色の狼は、孤高の存在を象徴し、シンプルなラウンドケースにも上下非対称のラグで個性が際立つ「アルソー」をエレガントに飾る。
極細の筆で、毛並みを一本ずつ描くまずエナメルダイヤルを磨き、滑らかな表面にして下地を整える。その上に、モチーフの輪郭を描いたあと、天然のオイルを混ぜたエナメルの粉を極細の筆を使ってちりばめる。この絵付けから乾燥、焼き付けといった気の遠くなるようなプロセスを何度も繰り返すことで、まさにタイムレスな美しさが誕生するのだ。
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