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2022.02.02

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厚底はもう遅い? ブームの火付け役・ナイキの新作ランシューが薄底なワケ

今やトレンドを通り越し、スタンダードとなった厚底のランニングシューズ。ブームの火付け役となったのは、ご存知の通り「ナイキ」である。

その次なる一手がコレ。

「ナイキ ズームエックス ストリークフライ」1万9250円/ナイキ 0120-6453-77

あれ? ソールが薄くないか?「ナイキ ズームエックス ストリークフライ」1万9250円/ナイキ 0120-6453-77


そう、見慣れた厚底のランシューではない。

その名も「ナイキ ズームエックス ストリークフライ」。ヒールカップに「5K/10K」とデザインされているように、短距離のロードレースやトレーニングを主な用途として開発された一足だ。

シューズの適正使用距離が示された斬新な踵のデザインも特徴的。ミッドソールはナイキ史上最軽量、かつ高反発な「ズームエックスフォーム」をフルレングスで採用。アッパーは透け感のある軽量なエンジニアードメッシュで通気性も抜群だ。

シューズの適正使用距離が示された踵のデザインが特徴。ミッドソールはナイキ史上最軽量かつ高反発な「ズームエックスフォーム」をフルレングスで採用。アッパーは透け感のある軽量なエンジニアードメッシュで通気性も抜群だ。


現状、ナイキがラインナップするレーシングシューズのトップレンジは、「アルファフライ」や「ヴェイパーフライ」のようなカーボンプレート入りの厚底シューズ。

それらと比較すると、ソールはおよそ1cm以上薄く、プレートもカーボン製ではなく、樹脂製のものが中足部に搭載されているだけ。

そう聞くと、単純なスペックダウン、もしくは「厚底ブームに対する逆張りか?」などと斜めに見てしまいそうだが、そうではない。

アウトソールの前足部には、耐久性とグリップ力に優れたラバーを搭載。着地から蹴り出しまで、さまざまな路面やコーナーにおいてもしっかりとトラクションを発揮してくれる。

アウトソールの前足部には、耐久性とグリップ力に優れたラバーを搭載。着地から蹴り出しまで、さまざまな路面やコーナーにおいてしっかりとトラクションを発揮してくれる。


そもそも厚底シューズのいいところは、ソールの素材特性やプレートによるシューズの助力を使って、マラソン終盤にかけてのエネルギーロスを極力抑える点にある。前述の「アルファフライ」などはその最たるものと言っていい。

「プロトタイプ(試作品)」と名付けられたファーストモデル。ソールの内側にはプロトタイプシューズの番号が記されており、アスリートと共に試行錯誤を重ねて製品づくりに取り組むナイキのこだわりが表現されている。

「プロトタイプ(試作品)」と名付けられたファーストモデル。ソールの内側にはプロトタイプシューズの番号が記されており、アスリートとともに試行錯誤を重ねて製品づくりに取り組むナイキのスタンスが表現されている。


対して今回の「ナイキ ズームエックス ストリークフライ」は、ミッドソール素材こそ、厚底シューズと同じ軽量&高反発な「ズームエックスフォーム」を使ってはいるものの、ソールを薄くすることで地面との接地感を向上させている。

すなわち「自分の足でしっかり地面を蹴る」という、ランニング本来の基本的な感覚を思い出させてくれるシューズなのである。



「10km前後の短い距離なら厚底のクッション性はややオーバースペック。むしろ接地感の方が欲しい」などといったアスリートからのフィードバックによって生まれたこのシューズ。ただソールを薄くしただけではなく、推進力はもちろんのこと、足入れしたときに「何だこのシューズ!?」と感じるナイキらしいワクワク感は、従来の“薄底”とはひと味違う。

本作の開発がスタートしたのは約2年前。

箱根駅伝に出場した選手のナイキ着用率が8割を超え、世間一般にも厚底のランシューが認知されるようになったブームの最盛期だ。
 
「厚底のランシューはもう古い?」と言うには尚早だが、常に時代の一歩先を行くブランドは、やっぱり見てるところが違うよなあ。


[問い合わせ]
ナイキ カスタマーサービス
0120-6453-77

外山壮一=文

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