パッカブルの服って本当にパッカブルで使うのだろうか。いや決して禅問答ではなく、単純な経験則&疑問として。
例えばパッカブルのウインドブレーカーを持っていたとしよう。それは基本的にクローゼットの中では、ほかの服と同じようにハンガーに掛けて収納しているのでは?出かけるときはさっと折り畳んで、トートバッグにラフに突っ込んでいるのでは?
つまり実際は「本来のパッカブルの状態にすること」が少ないのではないか、ということが言いたいのだ。
46万2000円/ディオール(クリスチャン ディオール 0120-02-1947)
まあコトの真偽は人それぞれなのかもしれないが、このディオールのコートだけは間違いなく「パッカブルの状態にしたくなる」コートといえる。
というのも、きちんと折り畳むことでブランドのアイコンである「サドル」バッグとして楽しむことができるから。
デザインの美しさは言わずもがな。大きめのフードやフラップ付きポケット、袖口のボタン式アジャスターなど、コートとしての使いやすさに十分考慮したディテールにも注目したい。
肩に掛けてバッグとして活用しつつ、一枚羽織りたい気分になったらフード付きの洒落たナイロンコートとして着用する。
街歩きの気分をより軽快なものへと導く“本当に格好良いこと”こそ、パッカブル2.0の基準なのかもしれない。