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2019.08.17

すべての海好きよ、海を目指すための車「ビーチカー」を知っているか?

海を愛する人の想いは深く広い。一度海に魅せられると、ビーチでの時間やマリンレジャーに興じるひと時以外でも、いつも海を感じたいと願うものだ。



そんなオーシャンラバーのための車、「ビーチカー」というジャンルをご存知だろうか?

自宅から近くのサーフスポットまで。もしくは海のある街でのワンマイル使いに。ハンドルを握る時間も海に焦がれる。そんなビーチカーの魅力を追う。

ビーチカーってなに?


この夏、休暇をビーチで過ごした人もいることだろう。特にヨーロッパでは、長いヴァカンスを家族とともに海辺のリゾート地で過ごす人が多い。そんなとき、ホテルと海との移動に使ったり、海岸線を走ったりするための車があれば便利で楽しいはずだ。



こうした発想から、1950年代終わりにヨーロッパで誕生したのが「ビーチカー」である。ベースはフィアットやシトロエンのコンパクトカー。それらの車から屋根やドアを取り払い、濡れた水着のまま乗れるように、内装も防水加工などを施してシンプルに仕上げているのが特徴だ。

家族や仲間とビーチで遊ぶことが目的の車なので、見た目からしてポップで楽しいし、まるで遊園地のアトラクションカーやゴルフカートのような存在なのだ。

 

リゾートでの甘い生活を支える
フィアット ジョリー




代表車種のひとつは、1958年に発表されたフィアットのスピアジーナ、通称JOLLY(ジョリー)だ。前年に登場して世界的ベストセラーとなった2代目「500(チンクエチェント)」をベースに、イタリアのカロッツェリアが製作したのが始まりである。

真夏の海をより楽しむために、ルーフはもちろんのこと、ドアすらない完全オープンのリゾート仕様車となっている。



ジョリーは、地中海の高級リゾート地でヴァカンスを楽しむセレブたちの“Dolce Vita(甘い生活)”に欠かせないアイテムでもあった。例えば、モナコ大公レーニエ3世とその愛妻のグレース・ケリー、往年の名優であるユル・ブリンナー、そして海運王として知られた実業家のアリストテレス・オナシスも、ジョリーを愛用していたと言われる。



今年夏には、イタリアの大手レンタカー会社のHertz Corporationが電動バージョンのジョリーの製作をコーチビルダーに依頼し、イタリアで旅行者向けのレンタカーとして登場した。時代を超えてもなお魅力のある車ということだろう。



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