サッカーだったり、都市計画だったり。一見、ファッションとのつながりは薄いように思える分野だが、それらが交わることでこんなにも楽しいアイテムが誕生した。
W杯で大盛り上がりのなか、意外なトコで見つけたFIFA公式アイテム
ルイ・ヴィトンとサッカー。両者にどんな関係があるの? と思う人がいるかもしれない。でも、実はかなり深いつながりが。
2010年以降、ルイ・ヴィトンはFIFAの依頼により、ワールドカップのトロフィーを収納するトラベルケースを製作しているのだ。そして今まさに盛況のさなかにあるロシア大会に合わせ、FIFA公式ライセンスプロダクトとして生まれたのが、この新コレクションというわけ。
ボストンバッグやバックパック、クラッチのほか、財布やネームタグなどもラインナップ。1970年に行われたワールドカップ・メキシコ大会の試合球に着想を得たという六角形のデザインは、遊び心たっぷり。
その躍動的なクリエイションはオフサイドラインぎりぎりで、ファッション×スポーツの新境地を行くもの。きっと僕らのお洒落を刺激的なものにしてくれる。
現代と伝統、その心地良い調和
「ロゴ」をリデザインしたクリエイティブがハイブランドを中心に見受けられる昨今。だが、プラダのアプローチはちょっと違う。
白のナイロン素材を使用したご覧のメッセンジャーとミニショルダー。いつもの逆三角形のロゴプレートは活かしつつ、スクエアに配置した黒の「サフィアーノ」レザーの上に“新ロゴ”を併用しているのだ。
このロゴをデザインしたのは、都市計画の大御所として知られるオランダ人建築家のレム・コールハースが率いるOMA。グラフィカルで現代的な新しいロゴは、伝統的な様式ともいえる今のロゴと心地良く調和している。
このあたりの手腕はさすがで、「保存」と「創造」を共存させる、まるで都市計画のようにデザインされたバッグ。そのセンスには頭が下がる。
なお、こちらのバッグは伊勢丹新宿店限定商品で、6月26日(火)まで伊勢丹新宿メンズ館1Fで開催されるポップアップストアで発売されている。
変化を恐れず、他業界と結びつくことで生まれたトップメゾンたちのアイテム。いつもとは少々異なる趣に、なんだかワクワクしてくるとともに、彼らの度量の大きさも見えてくるってもんだ。
鈴木泰之=写真 松田有記=スタイリング