麻美さんにオススメの料理も聞いた。
「店長みずから捌くお刺身が美味しいですよ。あと、1年中おでんが食べられるのもお店のウリです」
左の若者は、客として店に通ううちに店長と意気投合してスタッフになった千広さん(23歳)。メニューを見ると、高級魚である黒ソイの刺身があった。
あと、おでんもいただきましょう。
そういえば麻美さん。レンガ坂の下のほうで人がたくさん座っていましたが、あそこは待ち合わせスポットなんですか?
「ああ、なんかポケモンがいるらしいですよ。私はよくわからないんですが」
テーブル席には女子2人組。「歯のない男の子と横浜のインドアゲレンデでスノボデートをした話」を聞くともなしに聞いているうちに、ホッピーと料理が運ばれてきた。
おでんは味がシミシミで、黒ソイは脂が乗ってコリコリ。シミシミとコリコリが口の中を交互に訪れる。ホッピーはもちろん美味しい。
いやあ、今回も大満足。麻美さん、お会計をお願いします。「バッカス」では揚げ物の調理などで手が離せないとき以外は、全員でお見送りをしてくれるのだ。
同行した友人とともに、これまたオススメだという近くの飲み屋へ。すると、麻美さんが全力で走ってきた。
歩くのではなく、全力で走って忘れ物を届ける。そんなところも、まごうことなき看板娘であった。
【取材協力】 バッカス東京都中野区中野3-34-22 第2コウヘイビル1F TEL:03-6454-1555 石原たきび=取材・文