なお、「バッカス」は今年の6月で4周年を迎える。6月29日(金)、30日(土)はほぼすべてのドリンクを300円で出すそうなので、行かない手はない。
「3周年の記念Tシャツは、なぜか私の絵が採用されています。下手だからイヤだって抵抗したんですが。『バッカス』で画像検索すると子供の絵が出てくるので、それを模写しろと言われて一生懸命描きました」
麻美さんの独特な画才は常連客の間で広く知れ渡っており、笑いがほしいときはお題を出してみんなで絵を描くそうだ。
天才か。
「私だって、頭の中にはちゃんとしたキリンのイメージがあるんですよ。でも、いざ絵にするとこうなっちゃう」
その才能にキュンとしつつ、半ば冗談で「ギャル時代の写真とかありますか?」と聞くと、「なんでギャルだったってわかるんですか」と言いながらスマホの中の写真を見せてくれた。
おおお、どんな子供だったんだろう。すると麻美さん、カウンター席に座っていた女性に「お母さん、私どんな子供だった?」と聞く。出た。「親が客として店に来る」という“看板娘あるある”だ。
お母さんがしみじみと言う。
「ひとりっ子なのにわがままを言わないし、やさしい子でしたね。絵心は皆無だし、裁縫もできないけど」
じつは、店で使っているコースターはお母さんの手作りなのだ。
さて、ドリンクのお代わりは決まっている。ここには、ホッピーがあるのだ。
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