37.5歳でパパになるキミへ「O父CHANSの心得」Vol.3
出産準備から小学校入学までの間、オレ中心ながらもきめ細やかな気配りで妻や子供を満足させるスマートなオトーチャンズ。そんなオトーチャンズの心得を紹介するこの連載の第3回は、里帰り出産のときの夫の振る舞いだ。
「O父CHANSの心得」を最初から読む 出産前後に夫が何をするかで、その後の家族関係が決まる。
「独身時代に戻ったみたいで超気楽なんだよ!」。
妻が里帰り出産をする同僚や上司のこうした発言は、一度はどこかで聞いたことがあるだろう。本気か冗談かは抜きにして、これから出産に向けたカウントダウンが始まる妻が聞いてはならない罪深い発言であることは間違いない。
もちろん、里帰り出産は夫婦のひとつの選択である。出産予定日の数週間前から帰郷し、出産後は長い人であれば生後3カ月くらいまで帰郷先で過ごす里帰り出産の期間。その期間中に夫がひとり暮らし状態なることも、家に帰ってもつまらないので同僚と飲みに行ったりすること自体も何も問題はない。ただ、この発言には夫の意識のなかにひとつの“誤解”があることをオトーチャンズは心得ておきたい。
里帰り出産は夫にとっては気楽どころか、その後の家族関係を左右するような「気がかり」満載な状態であることを意味するのである。
里帰り出産を選択する理由にはさまざまなケースがあるが、一般的には出産直前直後の妊婦の精神的・物理的ケアを24時間体制で見守れる環境作りのためだろう。「出産の先輩」でもあり、最も気の置けない妻方の母のいる実家に帰り万全の体制で出産に臨む。
しかし! 逆に言えば「何かあったときに」精神的、物理的に「今の自宅では気がかり」ということでもあるのだ。もしそうだとすれば、無事出産したあと、遅かれ早かれ妻と子供が自宅に戻ってきたとき、「何かあったときに気がかり」な暮らしが始まることを意味する。
出産前後ほどではないが、新生児のいる生活には予期せぬ出来事やトラブルが起こりうる。自宅に戻って暮らしはじめた妻にとって、そうしたトラブルのときに頼りになる先輩ママは側にいない。まして「里帰り」ということだから物理的にもすぐに駆けつけられる距離ではないだろう。
ここまで来て諸君は理解できたであろうか。里帰り出産は、いわばそうした”気がかり”の先送りをしているに過ぎないのである。だから自宅に戻ってきたときに”頼りにならない夫”のままで暮らしを始めるとしたら、妻の失望を買ってしまい「やっぱり私ひとりで頑張らなきゃ」と孤独な覚悟をさせてしまうのである。では、どうすればいいか?
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