装うことが好きな大人たちの期待に応えるアイテムは、一体どんなものなのか。
アウター、トップス、ボトムス、シューズ&アクセサリーの4部門について、ファッション業界人の愛用品を調査した。
着回しやすさ、アガるデザイン、気持ちのいい質感……とその理由はさまざま。
ヒットどころかホームラン級の使い勝手の良さ。登板回数が多いのも納得だ!
今回は
トップス編。
「ヘインズ」×「ビューティ&ユース」のTシャツ
スタイリストの橋本さんが昔から愛用しているヘインズのパックT。「ヘインズらしいミニマルデザインはそのままに、上質素材になっている」という、わずかだが大きな効果をもたらしたこのアレンジが橋本さんに刺さったようだ。
「カンタータ」のシャツ
「季節によって身に着けるアイテムのテイストはほぼ変わらない」という松島さんの服選びの条件は至極シンプル。「毎日着ていても飽きがこない。でも、装う楽しさが感じられるもの」だ。このシャツはその最たるもの。「一見スタンダードなオックスフォードのボタンダウンシャツ。でも、ヨークの位置が一般的なものより上にあることで背中が広く見え、男らしい印象になるうえ、肩がすごく動かしやすいですよ」。袖を通すたびにその楽しさを感じられるのだという。
愛用している人
「カンタータ」デザイナー
松島 紳さん(28歳)
「ヴィスラ」のシャツ
夏場はほぼシャツしか着ないという市東さん。なかでも特に愛用しているというヴィスラのプリントシャツは、同ブランドのブラックデニムと、ティンバーランドのブーツでタフなワントーンコーデを楽しむのが鉄板。「柄の入った半袖シャツはサーファーのユニフォーム。ブルージーンズで合わせることもあれば、ボードショーツで合わせたりいろいろです。夏場はこのシャツでサーフィンもするんですよ(笑)」。
愛用している人
プロサーファー
市東重明さん(42歳)
「ジョンリンクス」のニット
「今季は青系のアイテムが気になっていて」という梶さんが、特に色合いに惹かれて購入したのが、リブの質感が目を引くニット。「ブルーとネイビーとパープルの間みたいな独特の色みがすごくキレイで、見た瞬間に着てみたい!と思いました。欲しいと思った服でも実際に着る頻度は袖を通してみるまでわからない(笑)。だけど、“着たい”と思わせてくれることが、やっぱりヘビロテの第一歩ですよね」。
「ヘインズ フォー ビオトープ」のTシャツ
「若い頃は粗い生地のものをラフに着ていたけど、年を重ねるごとに、心地良いものの大切さを感じることが増えました」。迫村さんがたどりついたのが、ヘインズの中でも最上級のコットン地を使った2枚パックT。洗うと目が詰まって、質感がさらに良くなるそう。「コラボをさせてもらい、胸ポケを備えたら下着感が薄まったことで、手にとりやすさがアップ。夏には潔くこれ1枚で過ごしたいです」。
愛用している人
「ビオトープ」ディレクター
迫村 岳さん(39歳)
「トニー タイズサン」のシャツ
「撮影で着用し、男らしいアースカラーと少し大きなシルエットなのが気に入って即買い」したというプルオーバーシャツがこちら。「スキッパーシャツの特徴的な襟や大きめのポケットは、1枚で着るだけでも印象的なコーディネイトになりますよね」。確かに、モデルの肩書を抜きにしても、ネイビーパンツ&ビーサンに合わせただけでこんなにもクール。「肌触りのいい起毛感のあるコットンを使用しているのも1枚で着たい理由」。
「ポテトヘッド」×「ワコマリア」のシャツ
「柄モノはほとんど持っていなかったけど、年を取っていい意味で“くたびれ感”が出てきた今こそ似合う気がする」という種市さん。「だからこそ、この派手だけど味のあるシャツは黒T×黒パンツなどに合わせて主役として楽しんでいます」。
愛用している人
フリープランナー
種市 暁さん(45歳)
「ルーカ」のシャツ
世界を巡り有名サーファーたちのヘアスタイリングを手掛けてきたヘアカッターの軽部さん。海好きな顧客が多いだけにラフになりがちだが、シンプルなシャツでコーディネイトして上品さも忘れないよう気をつけている。「このシャツはクラシックなボックスシルエットがお気に入り。上下ネイビーのワントーンでまとめるのが好きで、夏場はネイビーのボードショーツに合わせたりもしています」。清潔感溢れる海カジを披露してくれた。
「カラー ビーコン」のTシャツ
「袖がフィットする薄手のものだとなで肩が目立つのが嫌で、Tシャツは大きめで厚手の生地が前提」というこだわりを持つ星さん。「カラー ビーコンのものはその条件を満たしている。トレンドど真ん中のロゴものじゃなく、少し変わったデザインも気に入っています」。
「エバーラスト」のパーカ 、「ジェームス パース」のTシャツ
毎シーズン、夏になると手に取る安心の1枚だというジェームス パースのTシャツは「白をメインに数色買い揃えています。ネックのパイピングが少し変わっていてインナーにしてもアクセントになるんです」という。一方でエバーラストのパーカは今季の気分を表したもの。「最近オールブラックな格好にハマっていて。ドロップショルダー、袖や裾の切りっぱなしのデザインなど個性があるこのパーカを入れると、装いが一段と楽しい。スポーツブランドらしからぬデザインもいいですよね」。
ヴィンテージ、「ポロ ラルフ ローレン」、「ピッグ&ルースター」のアロハシャツ
「ハワイでは正装。そんなことを考えると、毎年暖かくなるにつれて着たくなってくるんです」というアロハシャツは、かつて現地で暮らしていた栗田さんにとっては夏の定番ワードローブ。Tシャツのプリントを選ぶような感覚で色柄を選んでいるという。この3枚はすべてレーヨン素材で、通気性と肌触りの良さも気に入っている。自身のブランドのものは「ドロップショルダーで、着丈に前後差をつけたよりモダンなバランス」と、理想とする形を具現化したようだ。
愛用している人
「ピッグ&ルースター」
ディレクター
栗田裕一さん(40歳)
鈴木泰之=写真(取材・静物) 恩田拓治、鳥居健次郎、長尾真志、char、小野直樹=写真(取材)