なお、ノバレーゼでは研修の最終テストで合格しないとドレスコーディネーターとして接客することはできない。そして、合格発表はサプライズで行うという慣習がある。
直井さんが言う。
「私のときはカレンさんが『日も暮れたからブラインドを上げようか』と言って、現れた窓に『合格』と言う紙が貼られていたました。『わーっ』てなりますよね(笑)」。
「わーっ」となっている瞬間の直井さん。
そんなお茶目なカレンさんは鳥取県出身。鳥取といえば砂丘ですよね。
「学校の行事では砂丘でマラソンをしたりしましたね。あとは、アスレチック的な活動とか松ぼっくり拾いをしたり。県外の友人が来たら、真っ先に連れて行きます。身近な存在でしたが、鳥取を離れてからこんな偉大な風景はないんだなと気付きました」。
「馬の背」という急斜面を登ると、その先に日本海がある。
鳥取はスターバックスがいちばん最後に出店した県としても話題になった。
「その前にも、ファミリーマートでスターバックスのドリップコーヒーが売られるだけでニュースになったんです。6年前にオープンした店舗はいつも大行列で、この前帰省したときもやっぱり並んでいました」。
子供の頃の話も聞いておきたい。カレンさんは次女で、姉、妹、弟がいる。そして、弟以外は皆カタカナの名前なのだ。
「エミリ、カレン、マリナです。地方の鳥取では、ちょっと変わった家族だと思われていました」。
アクティブな子供で、一輪車にハマっていた時期がある。行き当たりばったりな性格だったので、これに乗ってお使いに行こうとしたが、両手の買い物袋のバランスが取れず、一輪車を引きずって帰ったそうだ。
自宅の近くで妹と。
話を聞くと、確かに「変わった家族」である。グラフィックデザイナーの父親が3姉妹をプロデュースしてCDを作ったというのだ。
「3姉妹がオリジナルの『朝7時は刺激の時間』という曲を歌って、ジャケ写も撮りました。みんな朝が苦手なので、コケコッコー的な感じですね。なぜか、学校を早退してレコーディングした記憶があります(笑)」。
「SPEED」感あふれるジャケ写。
家には「秘密の階段」と呼ばれる場所があり、その上には子供たちの“作品”が飾られていた。
お父さんの愛が伝わってくる。
カレンさんは中学校で茶道部に入る。
「3トップと言われるきれいで目立つ先輩たちがいたんです。興味本位で入部したら、お茶碗の美しさ、季節の表現、茶菓子の美味しさとかに魅了されて。当時は部員も少なかったので、部費を稼ぐためにお昼休みに『お茶券』を売り歩いていました」。
学校新聞でも紹介されました。
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