看板娘、登場
「よろしくお願いいたします」。
こちらは、ノバレーゼのドレスコーディネーター歴9年の植木カレンさん。これまで1000組近くの新郎新婦を担当しており、同社に約100人いるドレスコーディネーターの中で5人しかいない「スペシャリスト」である。
「入社のきっかけは同志社女子大学在籍中に参加した就活生向けの合同説明会でした。いろんな会社の方とお話ししたんですが、ノバレーゼの社員さんがとりわけ輝いて見えたんです。立ち居振る舞いとかも含めて『かっこいい大人がいっぱいいるな』という印象で」。
ドレス選びは新婦にとって“特別”な体験。
もともと人を幸せにする仕事がしたいと思っていたカレンさんは、高倍率の難関を乗り越えてノバレーゼの内定を勝ち取った。
「単に衣装だけではなく、ご新郎様ご新婦様のバックグラウンドもを知ったうえで、おふたりにいちばん似合う衣装をご提案する仕事なので、やりがいがあるんです。馴れ初めを聞いても、いろんな出会いがあるなあと思います」。
カレンさんが「スペシャリスト」に抜擢されたのには理由がある。晴れの日の衣装を選んでもらうための観察力だ。
「例えばご新婦様にドレスラックを見ていただくときは、目の動きを追いますね。ご紹介したドレスにご興味がない場合は焦点が合っていません。そのため、接客中は常に目を見てお話をしています。
さらに、会話や所作の中でその方の嗜好を推測しながら、最後に『もしかしたら、こちらのドレスはいかがですか?』というパターンもあります。そこで感動していただいたときは、コーディネーター冥利に尽きる瞬間です」。
銀座店では男女合わせて常時130着ほどの衣装を揃えている。
内訳は女性用が100着、男性用が30着ほど。結婚式で身に着けるものはすべてコーディネートするという思いのもと、アクセサリーも取り扱うほか、新郎新婦用のリングもオリジナルで作っている。
タキシード用のネクタイも様々。
さて、ここで推薦人の直井あきさんにご登場いただきましょう。
ドレスコーディネーターとして先輩の背中を追う立場。
「カレンさんはお客様との距離の縮め方が、とにかく上手いです。結婚式への準備すら楽しい思い出にしてあげようという思いが強くて、本当に学ぶことが多いです。全国のドレスコーディネーターの中で、たぶんいちばん多くのお礼のメールや手紙をもらっている人だと思います」。
こちらがその手紙の一部。
カレンさんいわく、「ご新婦様が試着したドレス姿を見て、ご新郎様やご家族がうるっとされることも多いんです。そういう涙は私たちしか見られませんよね。お客様からいただいたお手紙は全部取っていて、落ち込んだときはそれを読み返して奮起しています(笑)」。
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