どこを走っているかわからせない凄み
一方で、ランクルではなく「レクサス」を名乗る以上、ドライバーを含めてすべての乗員が快適に移動できることが求められる。
レクサスの言葉を借りれば「世界中のどんな道でも楽に、上質に」だ。砂漠でも未舗装路でも雪道でも、乗員は外を見ない限りどんな道を走っているか気付かないくらい快適な乗り心地が目指された。
しかも、途中コンビニなどに寄るなど歩道の段差を乗り越えたいときには、乗り心地を優しくするために少しだけ車高を上げることも可能。
静粛性も超一流。レクサス史上最厚というフロントウインドウをはじめ、エンジンルームに隔壁を設けたり、ヘッドホンでお馴染みの、逆相の音で騒音を打ち消すアクティブノイズコントロール技術が用いられるなど、一音の侵入も許さぬよう作り込まれている。
4人乗り仕様「エグゼクティブ」の後席。天井に専用のエアコン吹き出し口が設けられ、後席に座る人を包み込むような「シャワー空調機能」なるものが備わる。一方で冬の寒い日は足元の吹き出し口から温風が出て頭寒足熱。心地良い温め方をしてくれる。
そんな極上の車内空間を贅沢に味わうためのVIPモデルとして、LX初の4人乗り仕様「エグゼクティブ」グレードが設定された。
2脚備えられた後席は、NASAが「最も体への負担が少ない姿勢」という中立姿勢を実現するべく、最大48度のリクライニング機構とオットマンを備え、最大1000mmものレッグスペースが確保されている。
そんな極楽姿勢のまま、手を伸ばせば後席専用オーディオシステムやリアシートディスプレイ、置くだけ充電などが使えるよう、後席センターアームレストの形状まで考えられている。
上記エグゼクティブのほかにベースグレード(5人乗りまたは7人乗り)と、悪路走破性を高めたグレード「オフロード」(5人乗りまたは7人乗り)がある。車両本体価格は1250万〜1800万円。
これだけのVIP仕様で、しかもどんな道でも快適に走れるとなれば、盗難を心配したくなるが、LXのスターターは指紋認証システムが採用された。つまり安全性も最強クラス。
高級車は数あれど、街中でも傾斜45度の未舗装路でもパーフェクトな走りをする車はそうないだろう。LXで世界中どこでもVIP気分に浸ってみたいものだ。