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②『トップガン マーヴェリック』

5月27日(金)公開予定。配給:東和ピクチャーズ © 2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

5月27日(金)公開予定。配給:東和ピクチャーズ © 2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

【あらすじ】
エリートパイロットの養成学校「トップガン」を舞台に、若者たちの挫折と栄光の日々を描いた前作から36年。天才パイロットと呼ばれたマーヴェリック(トム・クルーズ)が教官として戻ってきた。戦うことの過酷さを型破りな指導で教える訓練生の中には、かつてマーヴェリックの相棒だった亡き親友の息子も……。

36年の時を経て動き出す物語

ついに、あの名作が36年ぶりに帰ってきました。1986年に公開された『トップガン』は、トム・クルーズがハリウッドでの地位を固めるきっかけになった作品で、彼はこれで一気にスターダムに登り詰めました。

当時は、約15億円の制作費で360億円の興行収入という空前の大ヒットを記録。これだけ稼げるなら誰だって続編を考えるわけですが、作られなかった。いや、正確にはトムが作らせなかったんです。

トム自身、『トップガン』が歴代の出演作でいちばん好きだって言ってるんですけど、それだけ彼にとっても思い入れのある出世作だったわけです。それまで日の目を見なかった俳優のもとに、急に何百という映画のオファーが舞い込んでくるわけですよ。

作品性が高いものもあれば、ギャラがいい作品ももちろんあって、自分で出演する作品を選べる立場にようやくなったわけです。もしその時点で『トップガン 2』に主演してしまったらどうなるか。彼はこの先ずっと『トップガン』俳優のイメージから抜け出せず、ほかの作品で成功することはなかったかもしれません。

しかも、ほとんどの場合、続編ってどうしても1作目を超えられないじゃないですか。彼はそれもわかっていたから続編のオファーを断ったんです。

『トップガン』は俺のもの! 他の誰にも渡さない

© 2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

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で、ここからがトム・クルーズをトム・クルーズたらしめる逸話なんですけど。僕はトムがハリウッドで今のポジションを築けたのも、続編を断ったことにあると見ています。


トム主演で続編が無理なら、代役を考えるじゃないですか制作側は。実際、考えたんですよ、企画を実現するために。でも、トムはそれを許さなかった。自分の『トップガン』を誰にも取られたくないと、『トップガン』の権利を買い取っちゃうんですよ。主演で稼いだギャラを全部つぎ込んで。

誰にも続編を作らせないようにしたうえ、36年間、続編の製作をあたためておくというね。すごくないですか?(笑) 寝かせておくんですよ、ビットコインみたいに。戦略家ですよね。

© 2021 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

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あ、ちなみにこんなに熱く語ってますけど、僕もまだ観てません。アメリカでの公開も5月ですから。でも、このバックグランドを知るだけでも観る価値があると思いませんか?

ちなみに『トップガン』ていうのは、アメリカ海軍のエリート戦闘機パイロット部隊の通称。新人パイロットだった主人公が36年の時を経て、教官として戻ってくるという設定になっています。ちゃんとこの36年という月日も生かされているんですね。

36年後に出る意味。これが『トップガン マーヴェリック』を観なきゃいけない最大のポイントですね。


3/3

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