「オーシャンズ的、2022年ヒット予測」とは…… もしIT技術が発達していなければ、このコロナ禍で何も立ち行かなくなっていたのではないか……そう言っても過言ではないほど、ITの恩恵は大きい。
次なるITの進化は、ライフスタイルにどんな変化と刺激を与えてくれるのか。今年予想されるITトレンドについて、ITジャーナリスト・三上 洋さんに7つのポイントを解説してもらった。
語り手は……
三上 洋(みかみ・よう)●セキュリティ、ネット事件、スマホ、トレンド分析を専門とするITジャーナリスト。文教大学情報学部非常勤講師。テレビ・ラジオ・雑誌でIT全般に関する分析・コメントをすることも多い。2021年10〜12月に放送されたテレビドラマ『アバランチ』でメディアリテラシーの監修も。
[2022年IT流行予測]
① 仮想空間での会議が始まる!
② セルフケア眼鏡が人気に
③ 新・携帯ゲーム機が流行る!
④ 家事ロボットが家に来る
⑤ EV車の普及がさらに加速!?
⑥「移動マイルアプリ」の普及
⑦ “足りない”スマホが逆にくる!?
[予測①]仮想空間での会議が始まる!
10月にアメリカのFacebookが社名を「メタ(Meta)」に変更しましたが、
IT大手は今こぞって“メタバース事業”に取り組んでいます。メタは何千人というエンジニアを採用してメタバースの開発を進めているそうです。
メタバースとは3DのゴーグルをかけてVRの世界に入り込み、離れている人たち同士が、同じ空間の中で会議をしたり、一緒にイベントに参加したりできる仮想世界のこと。Facebookがすでに発表している「ホライゾンワークルームズ」もそうですね。
「ホライゾンワークルームズ」の場合、「クエスト」のVRゴーグルを装着し、
自分の化身となるアバターで仮想空間につくられた会議に参加します。
VRゴーグルの先駆けとなった「クエスト」の2世代目となる「クエスト2」。
VRゴーグルを装着し、2つのコントローラーは手に持って使う。
仮想空間で自分の左に座っている人が発言すれば、ヘッドセットの左から声が聞こえ、遠くに座っている人の声は小さく聞こえます。リアルな会議と同じような感覚で隣の人とコソコソ話まで可能に。
このVRゴーグルには外の世界を認識する補助的なカメラも付いていて、
自分が身振り手振りで伝えれば、仮想世界の自分のアバターも同じ動作をします。
また、自分のパソコンキーボードを仮想空間でアバターが使うキーボードと連動させてメモを取ったり、コントローラーを使えば、仮想空間に用意されたホワイトボードに書き込むこともできるようになりました。
テレワークで浸透したWeb会議の利便性と、
Web会議では叶わなかった同じ空間を共有するというコミュニケーションの良さが、メタバースのテクノロジーによって実現するんですね。
VRゴーグルがもっと進化すれば、誰もが利用しやすくなると思います。
2022年の後半には、コンパクトなVRゴーグルが出てくる予定ですが、例えばゴーグルが眼鏡のように軽量化できたら、一気にユーザーが増えるでしょうね
[予測②]ウェアラブルデバイスがもっと身近に!
「ジンズ ミーム」1万9800円/ジンズ 0120-588-418
眼鏡と言えば、専用アプリと連動して使うこの「ジンズ ミーム(JINS MEME)」も注目です。体や目の動きを捉えるセンサーがついていて、体と心の状態を可視化でき、
これをかけるだけで姿勢が悪かったり、集中していなかったり、緊張しすぎたりしていることを教えてくれます。
ランニング時もこれを掛ければ、自分のフォームの癖が分かり、距離も記録。ウェアラブルウォッチに替わる選択肢の登場というワケですね。
今の「ジンズ ミーム」は二世代目。2015年に発売された初代の掛け心地の欠点を改良し、太めだったフレームがだいぶスリムになりました。ほぼ普通の眼鏡という感じで、値段も1万9800円と手頃です。
[予測③]プロお墨付きの新・携帯ゲーム機が流行る!
これは「Steam Deck」といって、プロゲーマーの熱視線を集める携帯ゲーム機です。半導体不足の影響で発売が遅れていましたが、2月から欧米で出荷開始予定になりました。値段は5万円程で、最初のロットは、もう予約がいっぱいです。
バリバリのFPSや戦闘ゲーム、いわゆるeスポーツのゲームって、今まではPCでしかプレイできなかった。それが今後は「Nintendo Switch」みたいに、コンパクトになる。
PCゲームを手元で動かせる携帯ゲーム機が2022年はブームになるだろうと言われていて、これはその代表格ですね。
スライド式キーボードを備えたWindows10搭載の「GPD WIN 3」。
当然ライバルもいて、「GPD WIN 3」はPC並みのCPUを積んでパソコンを超小型化したもの。15〜20万円もしますが注目されています。
日本では携帯電話料金の大幅値下げで5Gが手頃な金額で使えるようになったので、モバイル版のeスポーツが生まれるかもしれないですね。
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