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腕時計史上第8位となる約7億4650万円で落札

170本限定発売となる本作は、ニューヨーク、サンフランシスコ、ビバリーヒルズのパテック フィリップの取り扱いがあるティファニーのブティックでの販売予定らしいが、購入条件などの詳細について公式アナウンスはされてはいない。
このうちの1本が、世界的なオークションハウス、フィリップスが12月11日にニューヨークで開催したチャリティオークションに発売に先駆けて出品された。
予想落札価格は5万ドルだったが、実際の落札価格は手数料を含めると650万3500ドルという腕時計史上第8位の記録を更新。落札時点のレートで換算すると、日本円で少なくとも約7億4650万円の価格がついたことになる(TTSレートUS1ドル=114.78円)。
予想を遥かに超える落札価格に。
予想を遥かに上回る結果が出たことについてフィリップス東京に問い合わたところ、時計部門のシニアコンサルタントの藤本和彦さんはこのような見解を述べてくれた。
「本作のオークションへの出品が告知されてから、ひたすら問い合わせの対応に追われていました。
これまでオークションに参加されたことがない方、なかにはパテック フィリップやノーチラスのことも知らない方までいて大変驚きました。そこで、今年発売されたオリーブグリーン・ソレイユ文字盤のRef.5711/1A-014を目安に、ノーチラスがどういった時計なのかを説明するようにしました。
このような事態は初めてでしたから、異常な熱気を感じましたね。
オークションの開催前に展示されたノーチラス Ref.5711/1A-018の実機。©️PHILLIPS
価格がここまで高騰した要因は、アメリカ在住のティファニーのVIP顧客しか購入できない可能性が高いことから、世界の時計愛好家や富裕層の注目が一気に集まったことでしょうか。
つまり、オープンにこの時計を入手できる唯一の場が、今回のオークションだったのです」。
落札価格が決定して興奮の坩堝に包まれた会場の様子。©️PHILLIPS
そして、こう続ける。
「もうひとつ考えられることは、2017年10月に俳優のポール・ニューマンが所有していたロレックス『コスモグラフ デイトナ Ref.6239』が、1775万ドル(約20億円)で落札された時と同じように、チャリティオークションであったことです。
この時計で得た収益は全額、環境保護団体『ネイチャー・コンサーバンシー』に寄付されるのですが、このようなイベントの背景も驚異的な落札価格に繋がった理由に挙がります」。
こうして初めて公の場で披露された1本が落札されたことでオーナーが決定したわけだが、残りの169本の行方が俄然気になってくる。
現在ネットで検索すると、ラッパー・音楽プロデューサー・起業家などの顔を持つジェイ・Zが本作を着用した姿を発見することができる。ただし、これについてはどのような入手経緯かは定かではないが、オークションで落札されたものでないことは間違いなさそうだ。


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