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[予測③]再生素材&バイオ素材が主流に!

2020年にはスウォッチから時計業界初のバイオ由来の腕時計が発売されていたが……?
ファッションには社会情勢の合わせ鏡のような側面があります。古着や一点モノへの人気の高まりもその表れでしょうし、服や小物に使われている素材に目を向けてみると、その傾向はよりはっきりと現れています。
再生ポリエステルや再生ナイロンは、「プラダ」をはじめとしたメゾンから「ユニクロ」「ザラ」といったファストファッションのブランドまで、積極的に取り入れています。
デザインの良いもので、カッコよく地球環境に貢献できることが当たり前になりつつありますね。
リサイクルナイロンを使用したプラダのボトルバッグ。
最近ではバイオ系のサステイナブルな素材が登場しはじめていて、そのひとつがマッシュルームレザーです。キノコの菌糸体から作られた環境配慮型の人工レザーで、「エルメス」がバッグを作ったり、「ダブレット」がライダーズジャケットを展開したりと、2022年は“キノコ元年”となりそうな兆しが。
ほかにも果物の廃棄物を再利用した素材なども散見されます。
ファッション業界は世界で2番目に環境負荷の高い業界だといわれていることからも、サステイナブル素材は当たり前のものになってほしいですよね。
 

[予測④]注目はアフリカブランド


アフリカブランドが面白いですね。
ひと口にアフリカブランドと言っても2種類あって、アフリカ人が手掛けているものと、日本人によるアフリカブランド、両方とも興味深いです。
前者はアフリカ出身デザイナーによるブランドで、LVMHヤング ファッション デザイナープライズのファイナリストになった「テべ・マググ」や「ケネス・イゼ」あたりが代表格。アフリカらしい原色の色使いやテキスタイル、デザインのモチーフが特徴的です。
日本人によるアフリカブランドは、ケニア発の「ラハ ケニア」や「クラウディ」(写真上)など。現地の伝統工芸や繊維産業といった地場のモノづくりに雇用を生んでいる点も、時代に合致していると感じます。カラフルなアイテム群はデザイントレンドにもマッチしていますしね。
 

[予測⑤]地方のセレクトショップがアツイ!

群馬県・桐生市にあるジャンティークの兄弟店「内田商店」。
ショップのこれからは、よりオリジナリティが大事になってきます。なかでも、地方都市で独自の発信をしているセレクトショップの存在感が増しています。石川県の加賀にある「フェートン」は、内外装の建築を含めてスタイルのあるショップです。
eコマースやネット全盛の時代だからこそ、SNSを通じた発信力があって、コアなファンのついたショップの面白さが際立ちます。私はそこまで詳しくないのですが、ブランドの方々からはこの手のショプの話をよく耳にしますね。

性差や人種の違い、体型の違いといった垣根を飛び越える多様性や、SDGsやサステイナブルといったトレンドワードに代表される環境配慮のアイテム。
2022年メンズファッションのヒットは、このあたりに隠されていそうだ。
 
礒村真介(100miler)=取材・文


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